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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『水ダウ』×クロちゃんにザワザワ
テレビウォッチャー・飲用てれびの「テレビ日記」

『水曜日のダウンタウン』×「クロちゃん」という”禁断の組み合わせ”

■伊集院光「食べ物の善し悪しは、そのときのボクの状況による」

 善とは何か。悪とは何か――。3日放送の『100分de名著』(NHK)では、そんな善悪の基準の話をしていた。同番組は、毎月1冊の本について4週にわたり、MCの伊集院光とアナウンサーが解説の先生と一緒に読解していく番組。今月取り上げられていたのは、哲学者・スピノザの『エチカ』という本だ。

 解説の先生によると、スピノザは善悪を「組み合わせの結果」と考えている。つまり、それ自体として善いもの、悪いものがあるわけではなくて、何かと何かの組み合わせの結果として、善いことや悪いことがある。

 このあたりは、伊集院のたとえ話を聞いたほうがわかりやすいかもしれない。伊集院は、哲学書をはじめとしたややこしい話を、自分の経験に置き換えて翻訳するのが本当にうまい。

伊集院「ハイカロリーな食べ物は、いい食べ物なのか、悪い食べ物なのか。この食べ物はいい食べ物なのか悪い食べ物なのかは、そのときのボクの状況による。うちのかみさんには、ハイカロリーな食べ物は悪いって、必ず言われますけど」

 なるほど、その食べ物の善し悪しは、周囲はいろいろ言ったとしても、食べる人の体調なり体質なりによって変わる。おいしいステーキも、胃腸の調子がよくないときは悪しきものになるだろう。ストロング系のお酒も、いっときの苦しさを忘れるアイテムとしては善いけれど、とりわけ先輩への批判をネットで配信しそうな夜は控えておいたほうがいいだろう。

 では、「組み合わせ」がよいとはどういう状態か? 解説の先生いわく、そのあたりをスピノザは、「活動能力」の増大として捉えているらしい。組み合わさることである人の力を増大させるものが、その人にとって善いもの、ということのようだ。

 ここで僕もひとつたとえ話を出すとするならば、『ダレトク!?』にも出てきた平野のレミパンは、バラエティ番組の中で面白いアイテムになりそうで、なかなかそうなったことがない。だがしかし、レミパンが「面白い」に変換されたレアなケースもある。ずっと前の『ぴったんこカン・カン』(TBS系/2016年6月25日)での、次のような適当すぎるやりとり。

平野「この人、レミパン欲しくないって言ったのよ」

高田「オレはどっちかっていうと、紐パンがいいかな」

 レミパンも、高田純次と組み合わさると面白くなる。バラエティ番組の中で面白いということは、善いということだ。バラエティという枠組みを与えられた高田純次との組み合わせで面白くなりそうにないものも、あまり想像がつかないわけだけれど。

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