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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 「鉄道ライター」も十分食える時代に

完全に定着した鉄道ブーム……いまや「鉄道ライター」も十分に食える時代に

※イメージ画像

 いつの間にか、鉄道ブームはすっかり定着したようだ。

 かつて、鉄道ファンというのは「ヤバい」とか「暗い」などというネガティブなレッテルを貼られがちの存在であった。確かに、今でも写真撮影のために傍若無人な行動を取り、一般の乗客や鉄道会社に迷惑をかける悪質な鉄道ファンは、問題になったりする。

 ただ、そうした不心得者はむしろ少数派。大半を占めるのは、人に迷惑をかけずに、乗ったり撮ったりを楽しむ人々である。

 もはや鉄道ファンは、従来のコア層から中高年を中心とするライトな新参者。そして、若い女性にまで広がっているのだ。

 とりわけ、旅の一環として鉄道に主軸を置く人も増えている。特定の車両に乗ったり、ローカル線をめぐったり。毎年「青春18きっぷ」のシーズンになるとローカル線で見かける旅姿の乗客には、とにかく中高年や若い女性が目立つのである。

 手軽に見て、乗れて、体験して楽しめる趣味といえる“鉄道趣味”の定着。それによって、大きく変容しているのが、鉄道関係を主に執筆する鉄道ライターたちである。ある若手鉄道ライターは語る。

「10年ほど前までは、鉄道だけで生活できる原稿料を得るのは困難でした。なので、普段はまったく無関係の記事などを書いて、鉄道ネタは半ば趣味で書くというのが当たり前だったんですが、最近は鉄道ネタだけで十分食えるようになっているんです。決して原稿料は高くありませんが、ネット媒体でも鉄道ネタを扱う割合が増えたのが、主な理由です」

 さまざまな媒体で扱われる鉄道ネタの急増によって「今では、鉄道をメインにしている専業ライターは十分に食える」状況が生まれているという。かつての「実益度外視」の時代からは、隔世の感がある。

 ただ、それは決して盤石なものではない。

「路線も車両も駅も有限ですから、単に行ったり見たりを書いているだけでは凡庸な記事になってしまいます。歴史だとか、沿線の事情とか、何かウリを見つけておかないと、長続きはしないでしょう」(同)

 よりマニアックだけど、面白いネタが増えるのは大歓迎だ。
(文=大居候)

最終更新:2018/12/08 18:00
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