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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 5lack×前野健太”異色”対談

ヒップホップ界とフォーク界の“異端児”が、すき焼き店で邂逅~5lack×前野健太対談【前編】

 

■長渕剛の「Myself」をカラオケで歌ったら、ブチ上がった

――実は10月19日にWORLD KYOTOで開催された、アパレルブランド・UNDERCOVER主催のイベント「UNDERCOVER KYOTO OPENING PARTY “HATE DANCE LOVE DISCO”」で2人は競演しているんですよね?

5lack はい。最初に会ったのは、イベント前日のすき焼き屋さんでしたよね。オールナイトイベントで、しかもスケジュール的に翌日に打ち上げができないから、みんなで前乗りして決起集会的なことをしたんですよ。

前野 そこでジョニオさん(高橋盾/UNDERCOVERデザイナー)が、5lackさんを僕に紹介してくれたんです。

5lack しかも俺らのテーブルには、ノブさん(北村信彦/HYSTERIC GLAMOURデザイナー)もいたんです。料理は普段からするんですけど、すき焼きは作ったことなくて。でも俺が一番年下だから、備え付けの説明書を見ながら、とりあえずしっかりすき焼きを作りました。

前野 5lackさんはとにかく手際が良くて、僕らのテーブルのが一番美味しそうだった。最初は勝手に怖い人だと思ってたけど、「5lackさんは、すき焼きを美味しく作る人」なんだなって。

5lack マエケンさん、俺のすき焼き作りを、すっごい褒めてくれるんですよ。ジョニオさんやノブさんからチェックが入るんだけど、マエケンさんは「5lack、ヤバい」「このすき焼き、美味しそう」とか言ってくれるから。

前野 あのすき焼き屋さんがよかったよね。お互いに柔らかくなった。

5lack そのあと、みんなかなり酔っ払った状態でカラオケに行ったんですよ。そこで俺が長渕剛の「Myself」を歌ったら、マエケンさんがブチ上がってくれて、音楽的にも一気に意気投合したんです(笑)。

前野 僕ね、「Myself」が大好きなんですよ(笑)。それに5lackさんの声が最高で。歌声を聴いて、僕の中で何かが開いたんですよ。めちゃくちゃ酔っ払って、ジョニオさんに「やべえ、こりゃ詩人だ。声が詩人だ」とか言いまくってたのは、なんとなく覚えてますね。

■「詩人」とは、真実をさらっと教えてくれる人

――マエケンさんが考える「詩人」とは、どんな人ですか?

前野 さらっと真実を教えてくれる人。何かが見えてる人。

5lack そのニュアンスは、なんとなく理解できますね。別に歌詞がどうこうとか、そういうことではなくて、存在で何かを語る人。何かを感じさせる人。そんな感じですよね?

前野 うん、職業ではないんですよ。街中にもたまに「詩人」がいる。例えば、競馬場とかね。いろんな人に紛れてるんだけど、「詩人」がいる場所には、いつもすーっと光が降りてきている。あと、場外馬券場でよく見かけるおじさんがいて。彼も「詩人」ですね。いっつも足元にツバ吐いてるんですよ。でも、そこに自分が着てたジャケットを落としちゃうような人で。あの人は完全に「詩人」。予想は外しまくってるし、ボーッとしてるんだけど、何か大切なものをつかんでる感じがする。ポロッと真実めいたことをつぶやくことがあって。

5lack 自分で自分のことを詩人だと思ったことはないけど、俺、普段からどうでもいいことをずっと考えちゃうタイプなんですよ。例えば、クローゼットの取っ手を見て「なんでここを湾曲にしたのかな」「まっすぐでもいいじゃん」とか。そういう本当にどうでもいいこと延々と考えて、独自の推測をどんどん深めていくタイプなんです。普通に生きてると「そんなことやる必要ないじゃん」ってことがたくさんありますよね? じゃあ、やらなきゃいけないことってなんだろうって考えると、やる必要のないことをやることが人生なのかなって。

前野 何言ってるか全然わかんないよ……(笑)。

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