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熱血!”文化系”スポーツ部

Jリーグはソシャゲ課金から学ぶべし!? テレ東『FOOT×BRAIN』ホリエモン回が面白すぎ

「彼氏に連れてこられた彼女が『また行こう』ってなるような仕掛けをしてるかな?」と疑問を投げかけ、「1回来た客には2回目の無料チケットを渡せばいい」「3回目は友達連れてきたらキャッシュバックとか」と、ソシャゲ課金から学ぶべきと説いてみせる。

 ちなみに、堀江のJリーグアドバイザーとしての報酬は月額3万円。「これだけの情報で3万円。どんだけコスパがいいんだよ」と番組MCの勝村政信は驚いてみせたが、この日の番組自体が知的な刺激に満ちたコスパのいい30分間だった。

 そして、このホリエモン回が意義深かったのが、ここ最近の『FOOT×BRAIN』との継続性の部分。「この話、ちょっと前にも別なゲストが言っていたことと通ずるな」とリンクする話が多かったことだ。

 たとえば、「ピークシフト対策としてスタジアムにスーパー銭湯を作ろう」という堀江の提言は、11月に放送した「J1長崎社長・高田明が語った驚きの地域再生プラン」回において、V・ファーレン長崎の高田社長(元ジャパネットたかた社長)が明かした、ホテル・スタジアム構想と同じだ。

 この点は番組内で勝村も言及。すると堀江は「ジャパネットはすごいんですよ」と熱く語ってみせた。こうした名物社長同士の横のつながりも楽しい。

 また、堀江が提言したソシャゲ的チケット展開は、前週11月25日放送の「いま名古屋が熱い!一歩先のグランパスの集客戦略とは!?」で紹介されていた「3試合観戦で1試合無料」というチケット戦略と重なる。事実、今季の名古屋は常に降格圏争いに身を置く(順位的には)苦しいシーズンだったが、観客動員数ではクラブ史上最多を更新。堀江が語った「強化より先に人気を出さないと」を地で行く形となっていた。

 こうした“継続性”は、「また同じ話か」ではなく、「立場が違っても目指すものは同じになるのか」という気づきになるし、次はどんな話が聞けるのか? と、翌週以降、またこの番組を見るモチベーションにもなる。

 堀江がこの日語ったのは、ファンをいかに常連化させるか、という問題提起であり、アイデア。その意味で最近の『FOOT×BRAIN』はリピーター、つまり慣れ親しんだ視聴者にうれしい作りになっているのだ。

 こうした“経営視点のJリーグ”は『FOOT×BRAIN』で定期的に取り上げてきた話題ではあるが、今夏のリニューアル以降、明らかに多くなった印象を受ける。以前はもっと、戦術の話や日本代表についての話題、他競技から学ぼう、といったテーマが多かった。

 もちろん、それらもサッカーファンとしては知りたい話題ではあるが、極論すればこの番組でなくても触れる機会はある。だが、小難しい話ではなく、知的にサッカーを楽しめるコンテンツはなかなか少ない。だからこそ引き続き、『FOOT×BRAIN』らしさ、テレビ東京らしさ、深夜らしさを意識した番組作りで、今まで以上にサッカーファンの知的好奇心を広げてほしいのだ。

 この日の番組終了後、MC勝村政信が番組公式サイトでこんなことを書いていた。

「サッカーでも、たくさんのオプションを持っている選手、チームは強い。死ぬほどトレーニングを積んだ人にしか、オプションを作ることができない」

 日本サッカーの発展のためには、『FOOT×BRAIN』というオプションが必要だ、と思わせる番組作りを引き続き期待したい。

(文=オグマナオト)

最終更新:2018/12/19 11:39
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