駒大、東洋、日体大も……来春の「箱根駅伝」は“ゴタゴタだらけ”で開催危機?
#箱根駅伝
大学陸上の強豪・駒澤大学に内紛が勃発。他の名門大でも醜聞が相次ぎ、新春の国民的イベントとなった箱根駅伝に暗雲が漂っている。
毎年お正月に繰り広げられる箱根駅伝で、駒澤大学は1、2を争う強豪校だ。これまで52年連続で箱根に出場し、総合優勝は6回。そんなチームを支えてきたのが、1995年に陸上競技部のコーチに就任し、2004年に監督に就任した大八木弘明監督だ。ところが、今週発売された「週刊朝日」(朝日新聞出版)が、大八木監督のパワハラ記事を掲載。10月に行われた箱根駅伝予選会をトップで通過し、本番でも上位をうかがうチームが揺れている。1980年代から箱根駅伝を見続けてきたスポーツライターが語る。
「今回の告発は、大八木監督がパワハラを受けたというものです。朝日によれば、大八木監督の周辺に不明瞭な金銭の動きがあり、大学側が辞職するよう迫ったところ、大八木監督が『パワハラだ』と訴えたというもの。ただ駒大としては、大八木監督が辞めても辞めなくても困ったことになりそうです。もし大八木監督が辞めた場合、男子マラソン元日本最高記録保持者の藤田敦史がヘッドコーチを務めており、後任の第一候補ですが、藤田は大八木の指導で一流ランナーに成長した弟子で、しかも大八木と同郷(福島県)です。コーチ就任も大八木監督が声を掛けて実現したもので、師弟コンビとして機能してきたチーム。本番直前にいきなり藤田が監督をやっても、チームをまとめるのは難しいでしょう。一方、もし大八木監督が辞めなかった場合、大学イメージが危機に晒されます。大八木監督といえば、箱根では監督車から怒鳴るのが1つの名物ですが、それもあって、恐らく多くの人は、今回の騒動を『大八木がパワハラをした』と勘違いしているでしょう。ですから、選手を追走する車から怒鳴る姿のを見たら、『週刊誌で問題になったのに、まだパワハラをしている』と思うでしょうね」(スポーツライター)
醜聞は駒大だけにはとどまらない。優勝候補の一角である東洋大、さらに出場回数70回を誇る日体大でもトラブルが起きている。
「東洋大は10月に“文春砲”の餌食になりました。期待されていた1年生ランナーが暴力を振るわれたというもので、被害者が実名で告発したのです。加害者には主力メンバーも含まれており、酒井俊幸監督が暴行の事実を認めた音声まで流出しましたが、東洋大は、これといった処分を行っていません。日体大はさらに深刻で、9月に監督が暴力パワハラで解任されました。この監督は、13年にも駅伝の強豪高校で体罰事件を起こしてクビになっている、いわくつきの人物。もちろん一番問題なのは本人ですが、雇った側も責任は免れないでしょう」(同スポーツライター)
なぜこんなに名門校にトラブルが相次ぐのか? 週刊誌のスポーツ担当記者はこのように分析する。
「一言で言えば、箱根駅伝の注目度が異様に高いからでしょう。大学スポーツの中でも駅伝の注目度は別格で、『箱根の順位が1つ上がれば、受験生が数%増える』などと言われています。しかも駅伝は比較的お金が掛からないので、強化がしやすいのも特徴。あまり名の知られていない大学が箱根路を走っているのは、そういった事情です。はっきりいってしまえば、今回レベルのトラブルは、どの大学のどの部活でも起きていますが、駅伝は興味のある人がたくさんいるから明るみになったということでしょう」(スポーツ担当記者)
感動ドラマの陰には、ドロドロした争いがあるようだ。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事