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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 「神回」の声続出の『僕キセ』7話

「神回」の声続出の『僕らは奇跡でできている』、榮倉奈々と視聴者がシンクロし感動の渦に包まれる

■相河の“ウサギ”だった過去

 子どもの頃、人と同じようにできなくて怒られたり、周りからばかにされてきたという相河。中学生のときに入った理科クラブでの研究で初めて先生に褒められたのが嬉しくて、「すごい」と言われたいから研究を続けました。1話で水本先生は、カメを見下し、自分はすごいと証明したくて走るイソップ童話のウサギだと言った相河ですが(レビューはこちらから)、彼自身もまた、昔はウサギだったワケです。

 でも、“生き物のことだけは絶対に負けたくない”と思ううちに、プレッシャーからか研究も楽しくなくなり、つらいと感じるようになったそうです。そんなときにおじいちゃんに言われたのが、「やりたいならやればいい。やらなきゃって思うならやめればいい」という言葉。ウサギだった相河に、自分にしか見えない世界を楽しむためだけに前に進む、カメとしての生き方を教えてくれました。

「理科ができてもできなくても、僕は居てもいいんだなあって思いました」

「やれないことがたくさんありましたが……、今もありますが、やりたいことがやれてありがたいです」

 と、泣きながら、一生懸命涼子に伝えようとする姿に、視聴者からは「つらかった思いが一気に蘇ってきたんだろうな」「涙腺崩壊した」と、感動の声が。また、「高橋一生素敵だな」「演技上手いね~! 役に入ってる!」と、その演技を称賛する声も。

 確かに、自分の過去を話すときのちょっとだけ震えた声や強張った表情、無理して笑おうとして口元が震えていたり、そういう姿はまるで役と同化しているようで、初回のレビューで、「まるで高橋一生のPVのようなドラマ」と書いてしまったことを後悔したくなるくらいの名演技でした。

 

■否定せず、認めてあげること

 7話の見どころはそれだけではありません。相河が水本先生のすごいところを挙げるシーン。時間を守ったり、あいさつをしたり、相河が言うことは誰でもできることのように思えます。でも、「誰でもできることは、できてもすごくないんですか?」という相河には、水本先生と同じように、ハッとさせられた視聴者が続出。

「『すごいところ』って、『人より優れているところ』ってことじゃないんだな」「神回すぎて号泣」「当たり前のことでもすごいと褒めて感謝してくれる人がいたら強く生きていけるよね、自分もそうありたい」と、大絶賛されていました。

 序盤こそ「感じ悪い」との声が寄せられていた榮倉奈々ちゃん演じる水本先生も、5話でうっかり相河の前で泣いてしまってからは、煙たがっていた相手の家を自ら涼子と一緒に訪れたり、虹一くんのことでダメな母親と思われないか怖かったと涼子が母親としての不安を吐き出したときも、「誰がそう思うんですか?」と相河と言葉を被せたり、だいぶ変化を見せています。

「朝自分で起きます」「忙しくてもメイクをします」「一人で焼肉屋に入ります」と、相河に続けて自分のすごいところを挙げるときも、涙こそ流しているものの、表情は明るく、幸せそうに笑っていました。以前のような、トゲトゲしさはありません。相河の言葉で自信を取り戻しつつある水本先生は、「回を重ねるごとに大切なことに気づかされる」という視聴者たちの姿とシンクロしているように思えました。

「完全」ではない登場人物たちを決して否定することなく、疑問を投げかけることで相手に気づかせるというストーリーが、優しく胸に響いてくるこのドラマ。これまで批判めいたことも書いてきましたが、この7話を観て、改めて、いい作品だなあと感じました。

 さて、ラストに爆弾発言を残した相河ですが、今夜放送の8話では、山田さんとの関係がついに明らかになるそうです。物語もいよいよラストスパート、ますます目が離せなくなりそうです。

(文=どらまっ子TAROちゃん)

最終更新:2018/11/27 20:00
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