地下アイドル・姫乃たま×バカ映画の巨匠・河崎実対談!! ファンも絶句した『シャノワールの復讐』の衝撃
#映画 #インタビュー #河崎実 #姫乃たま
■バカ映画の巨匠が見初めたヒロインたち
──女優・姫乃たまの演技キャリアについてお聞きしたいと思います。小学校の頃に学芸会などには出たんですか?
姫乃 女優・姫乃たま……? 孫悟空の出る、あのー、ほら『西遊記』をやりました。夏目雅子さんが演じていた役です。
河崎 三蔵法師役やったんだ。
姫乃 あっ、そうです。教室でホン読みがあったんですけど、隣の席がお母さんが宝塚出身の女の子で、その子に「ホン読み、うまいね」って褒められて、「私、イケてるんだ!」って思ったのを覚えてます。河崎監督のホン読みの時と同じですね。本番の舞台を観た親からは「ひどかった」って言われたんですけど、映像には残ってなかったので、自分の演技がどうひどかったのか気づかずにいました。その後、地下アイドルになって舞台に何度か上がったんですが、舞台なので映像で観る機会がなくて、前作の『干支天使チアラット』の試写会で、ようやく自分の演技に衝撃を受けました。
──『干支天使チアラット』出演から1年、演技面での向上を見せていないのは“ファンの楽しみを奪ってはいけない”というサービス精神からでしょうか?
姫乃 いや、上手くなったつもりだったんですが!!! 河崎監督の作品に出るのは2度目だから前回よりは上達しているだろうし、まあ別に何か練習をしたわけじゃないですけど……。それに今回は全編出ずっぱりだったので、2日間、朝から晩まで撮影していれば、演技に目覚める瞬間がきっと訪れるに違いないと信じていました。現場ではほとんど撮り直しがなくて、河崎監督が一発OKを連続していたので「私の演技力アップしてるなあ」と、しみじみしていたわけです。でも、「あれ、今の台詞噛んだぞ……?」と思った瞬間に、河崎監督がカメラを止めなくて、カメラマンさんが「監督、いま噛んだよ~」と教えてるのを聞いて、「あっ、河崎監督すべてワンテイクで済ませようとしてるだけだ」って気がついたんです。
河崎 ハハハ! いや、一流の監督はみんな、ワンテイクしか撮らないものですよ。
──北野武監督やクリント・イーストウッド監督は1回しかカメラを回さないそうですね。
河崎 そうです。噛んでも、かわいければOKなんです。
姫乃 そうやって甘やかされているうちに、今回もすべての撮影が終わったのです……。
──河崎監督は、これまでにも『地球防衛少女イコちゃん2』(88)で増田未亜、『兜王ビートル』(05)で中川翔子、『地球防衛未亡人』(14)で壇蜜……と時代を先取りするようなニューヒロインたちを起用してきたわけですが、今回の姫乃たまさんにも共通するものがありますか?
河崎 あります。やっぱり、グッと来るものがないとね。過去には有名アイドルを起用したけど、うまくいかなかったこともあるんです。それって、俺がいまひとつ乗れなかったからなんです。
姫乃 うおお、ではしょこたんと壇蜜さんに続いて、姫乃たまもニューヒロインになるわけですね!
河崎 う~ん、どうだろうね(笑)。でも、監督は女優のことが好きじゃないと映画は撮れないよ。
姫乃 そういえば河崎監督って、小明さんのCD「君が笑う、それが僕のしあわせ」のプロモーションビデオも撮ってましたね。
河崎 小明ちゃんがサイゾーでCDをリリースしたときだね。ゾンビアイドルだった小明ちゃんも、今や子持ちの人妻アイドル。しょこたんとも仲がいいし、たまちゃんも小明ちゃんと通じるものがあるよね。
姫乃 私もニューヒロインは諦めてゾンビになるか……。
■セルフプロデュースによる地下アイドルとは違った魅力
──あの、ここではっきり言っていいでしょうか。姫乃さんは女優としての演技はド下手です。でも、与えられたシャノワールという役を懸命に演じている姿は、アイドルならではの“やらされている感”がポジティブに溢れ出ていて、それが妙にかわいく思えてしまいます。
姫乃 あっ、シャノワール役、2年やりましたけど「ド下手」とそのまま言われたのは意外と初めてかもしれません。普段はフリーランスで地下アイドルをやっているので「(マネージメントから物品販売まで自分でやって)しっかりしているね」と言われることが多くて、「かわいい」ってあまり言われないんです。河崎監督の作品に出るようになって、ずいぶん「かわいい」と言われるようになりました。まあ、「かわいい」とでも言わないと、あの演技力はフォローしきれないですからね(笑)。
河崎 できない子ほど、かわいく思えるからね。
──地下アイドルとして活動しているときはセルフプロデュースしているわけですが、今回のようにまったく異なる世界の大人からプロデュースされる心地よさってありますか?
姫乃 あー、それはあると思います。普段は誰と仕事しても、ある程度自分の意見を出すのですが、河崎監督との仕事は口を挟む隙がいっさいないんですよね。すべて、河崎監督にお任せ。というか、知らないうちに全部決まってるんですけど、たまにはなすがままにされるのも楽しいかもしれません。
河崎 “もてあそばれ感”とでも言うのかな。
姫乃 DVDのジャケットもすごいと思いませんか? 知らない間に完成していたんですが、私の顔がデリヘルの宣材写真みたいになっていますよ。
河崎 悪いね。修正しまくったよ。ジャケットの出来で、売り上げが変わってくるからね。AVのパッケージを手掛けているプロに頼んで、たまちゃんの顔はかなり修正されているよ。
姫乃 いや、言われなくてもわかりますよ! とは言え、エロ本でライターデビューしたので、不思議と見慣れている感じはある……。
河崎 映画って一生残るから、そこがいいよね。
姫乃 いまの流れでそれ言われてもな!
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