涙を流し、倒れる牛も……屠畜直前の生きた牛に60リットルの水を無理やり飲ませ体重水増し
#事件 #中国
本サイトでは以前、屠畜後の牛にベーキングパウダー入りの水を注入することで体重を増やし、少しでも売値を吊り上げる中国の悪徳業者についてお伝えしたが(記事参照)、さらに悪質な水増し術が中国で横行している。
生きている牛の体内に60リットルもの水を注入するというショッキングな映像が、ネット上で拡散されているのだ。
香港系ニュースサイト「東網」(11月21日付)などによると、現場は安徽省滁州市の食肉処理場。映像を見ると、牛の片方の鼻の穴にゴムホースが差し込まれ、ゴボゴボと水が注ぎ込まれている。60リットルに上る水を注入し終えると、差し込まれたゴムホースはコルク栓でふさがれ、牛は水を吐き出すこともできず、たまらずに涙目になっていた。多くの牛の腹部は異常に膨れており、注水のしすぎで倒れている牛も。あまりにひどい仕打ちだが、処理場の経営者は「どうせ殺されるんだから」と気にも留めない。
この映像のインパクトは大きかったようで、中国版Twitter「微博」のハッシュタグ「注水牛流泪下跪(注水牛が涙を流してひざまずく)」は1億1,000万人以上が閲覧。4万7,000人以上がコメントを寄せている。「非人道的すぎる」「現代では多くの人がカネを前に人間性を失っている」「もう牛肉は食べたくない」など批判が殺到したほか「政府の不作為を考えなければならない」と、共産党批判を展開する者までいた。
経営者はこうした注水が違法であることを知っているため、露見しないように細心の注意を払っていたようだが、近所の住民によると、毎晩牛の苦しそうな鳴き声が聞こえてきたという。そんななか、何者かが通報したようで、南京市公安局食品薬品環境犯罪偵査支隊と警察当局が16日、2カ所の処理場を捜査。生きている牛13頭中、6頭に注水されていたのを確認し、関係者29名の身柄を拘束した。
卸業者によると、注水肉は正常な肉よりもキロ当たり6元(約98円)安いというが、それでもよく売れるという。いくら供給側が捕まっても、注水肉の流通量は減る様子がなく、いたちごっこが続いている。
(文=中山介石)
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