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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『ドロ刑』中島健人が添え物に

『ドロ刑』中島健人が添え物に……余貴美子の圧倒的な怪演が際立つも、感動の押し売り設定に興醒め

 さて感想ですが、謎めいた雰囲気のある和子役を、余貴美子がベテラン女優らしく圧倒的な存在感で演じていたため、真相がわかるまではその怪演に引き込まれるものがありました。大学で心理学を専攻したという和子に手玉に取られ、新米刑事2人がすっかり心を掻き乱されてしまう様子も見ていて中々にスリリングでした。

 前回は、『煙鴉VS皇子山』という構図がメインに描かれましたが、実力派の役者を前面に押し出し、実力はなくとも人気はある主役の中島を添え物のように出演させた方が、このドラマは見応えがアップすると思います。比較対象がある分、演技力のある役者の実力が浮き彫りになり、ドラマに深みが増す印象です。

 ただ、夫をかばって捕まったという無茶な設定のために、最後に一気にトーンダウンしたことは否めませんでした。65件の余罪を捜査すれば和子が犯人ではないことはすぐにバレるでしょうし、そもそも引き当たり捜査の時点でウソだと発覚したハズ。事前に夫から情報を得ていたとしても、初めて訪れる家の間取りなどを記憶するのは不可能に近いでしょう。

 犯罪者だと思っていた人物が実は善人者だったというギャップ、さらに親子の絆を描くことで視聴者を感動させようと計算したのでしょうが、その無理のある押し売り感で逆に興醒め。実力派の俳優陣が脇を固めているため何とか体裁が整った、というのが全体を通しての感想でした。次回、会心の一作を期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

最終更新:2018/11/24 10:00
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