「涙腺崩壊」『僕らは奇跡でできている』仕事も恋もうまくいかない榮倉奈々に『けもなれ』新垣結衣より共感できるワケ
#ドラマ #フジテレビ #高橋一生 #どらまっ子 #どらまっ子TAROちゃん #僕らは奇跡でできている
■ウサギ系女子・榮倉奈々に共感の声
出会った当初、イソップ童話に出てくるウサギとカメに例えて、「先生はウサギっぽいです」「カメを見下すために走るんです。自分はすごいって証明したいんです」と相河に言われた水本先生。その時は否定していましたが、相河と接するうちに、少しずつ自分の本質に気がつくことができました。
特に、ラストの森でのシーンでは、「育美先生の心情がわかりすぎて涙腺が崩壊」「相河先生のセリフがぐっさぐっさ刺さる」と視聴者たちも共感の声を上げていたようす。中には「けもなれの昌ちゃんには1ミリも共感できないけど育美先生には頑張って~先生好きだよ~!ってなる」といった声も。
確かに、日本テレビ系で水曜22時から放送中の『獣になれない私たち』でも、仕事に恋愛に頑張っているけど報われない、ストレスまみれの主人公・晶を新垣結衣が演じていますが、あちらはリアルな描写の連続でただただしんどくなる内容。彼氏の浮気相手をなんやかんや受け入れてしまう姿に、「お人よしすぎ!」との声が上がるなど、視聴者の共感はあまり得られていない印象です。
そういった意味では、このドラマは職場でパワハラが頻発していたり、彼氏の家には元カノが棲みついている挙句、知り合いの元カノと浮気していたり、劇的な何かが起こるわけではありませんが、今回のように、ツンケンしていて強そうにも見える水本先生が、相河の言葉によって徐々に心を開いて弱さを見せたり、そういう感情の動きや人物描写が丁寧に描かれているように思います。数字のわりにこのドラマが支持されているのは、そういったところにあるんじゃないでしょうか。
相河と水本先生の目の前でリスが橋を渡ったのも、都合が良すぎるように思えたりしますが、相河が言葉で何か伝えるよりも、奇跡に近い出来事を目の当たりにしたことで、水本先生の心は救われたのだと思います。たぶん。
■52Hzで鳴くクジラ=相河
今話で良かったなぁと思うのが、 前回、おじいちゃん(田中泯)に「光の中に他の人が入る。それもまたいいんじゃないか?」と言われた相河が、「あれ、思ってたより大丈夫そうだよ」とおじいちゃんに話したシーン。普段から言葉数が多いほうではないおじいちゃんは、「そうか」と返すのみでしたが、たった3文字にうれしい気持ちが込められているようでした。
相河の変化に気づいているのは、鮫島教授も同じです。教授は食事会で、みんなに30年ほど前に見つかったという52Hzで鳴くクジラの話をしました。周波数が違うから、他のクジラとはコミュニケーションが取れない。自由なのか、孤独なのか、そもそも自由とか孤独の概念のない世界に住んでいるのかもわからない。でも、年々周波数が変化していることを、鮫島教授は、「成長している証し」と言いました。きっとこのクジラは相河のこと差しているんだと思います。
この話を、樫野木先生や熊野事務長が聞き流していたのがとってもリアルだったし、反対に山田さんが後ろでうなずきながら興味深そうに聞いていたのも、相河との関係性がにじみ出ているように思ったし、“第三者”と“当事者”というのが見てとれた印象的なシーンでした。前回のレビューでも書きましたが、そういう説明的になり過ぎない描写がこの作品の良さでもあるんじゃないでしょうか。
さて、今夜放送の第7話では、虹一くんが再び騒動を巻き起こし、相河が虹一くんの母親・涼子(松本若菜)の怒りを買ってしまいそうなニオイがプンプン……。未だ謎に包まれたままの相河の過去も明らかになるそうです。今話で明かされた相河がタコを食べられない理由も、彼の過去に何か関係していそうなので、これからますます目が離せなくなりそうな予感です。
(文=どらまっ子TAROちゃん)
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事