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日刊サイゾー トップ > カルチャー > ネット  > 「ニコ動」オワコン化が顕著に

炎上案件も起こらない……アングラ感が失われた結果か? 「ニコニコ動画」有料会員200万人割れの深刻度

「ニコニコ動画」より

 ニコニコ動画のオワコン化が止まらない。

 カドカワが11月8日発表した2018年4~9月期決算で、傘下のドワンゴが運営する「ニコニコ動画」の有料会員であるニコニコプレミアム会員が9月末で194万人と、6月末から6万人減り、200万人を割る状況になったことが明らかになった。

 ニコ動において、プレミアム会員は動画の優先視聴などヘビーユーザーには欠かせないサービス。その会員数は16年3月の256万人超えをピークに、以降は減少に転じている。ニコ動のプレミアム会員は月額540円と決して高くはない。また、公式コンテンツに関しても以前より充実しているように見える。にもかかわらず会員数が減少する一方というのは、どういうことか?

 ひとつの理由として挙げられるのは、有料動画配信サイトの増加だ。Netflixはプレミアム会員よりも高額だが、見逃した最新アニメは視聴できるし、話題の映画も早期に配信される。Amazonの場合、プライム会員になっていれば動画視聴以外にも特典となる部分が多い。

 だが、ニコ動衰退の理由として挙げられるのは、サービス内容よりもコンテンツの魅力の減少だ。

「やっぱり、以前のようなアングラ感がなくなってきたし。ニコ動発の事件も、もう聞かなくなったでしょう?」

 そう話すのは、かつてニコ動で配信者として活動していた人物。彼が楽しそうに語るのは、かつての「なんでもアリ」な時代のニコ動である。

「善悪の判断は別として、著作権無視でさまざまな動画がアップされたり、MAD動画も盛んに作られていた頃のニコ動は楽しかったでしょう? でも、今は運営がすぐに消してしまうようになりました。ぼくらが楽しんでいたのは、あのヤバいことを一緒にやっている感、つまり共犯者の気分だったんです」

 アップロードされる動画だけではない。かつてのニコ生には、とにかく目立ちたいからと犯罪行為をしてみたり、配信者同士の対立が話題になったりと、完全な無法地帯だった。それに比べると、優等生になった今の雰囲気は、まったく楽しくないのだという。

「“踊ってみた”が流行ってた時期。みんな、最も面白がっていたのは、親フラ(生配信中に親が近づいてくる気配のある状態、また親が見切れること)だったんじゃないんですか?」

 もはや、逮捕上等とまではいかなくとも、炎上上等な人は、より手軽なTwitterへと移行してしまった。ちゃんと面白さを軸に活動する人はYouTubeへ。今日もなにが起こるかわからない。そんなワクワク感がなくなったニコ動が衰退するのは当然か。
(文=是枝了以)

最終更新:2018/11/17 18:00
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