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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 故・成田賢氏が歌う“アノCM曲”

『サイボーグ009』『デンジマン』歌手・成田賢氏死去……誰もが知る超有名スナック菓子の“あのCM曲”も熱唱していた

■バイク事故で26年間休業

 さらにその後に歌った戦隊モノ『電子戦隊デンジマン』のテーマ曲も、当時(1980)の流行りを意識したクールなテクノファンク調に成田のシャウトが合わさるという面白い曲で、番組もヒットし(ゴレンジャーに次いでシリーズ歴代2位の視聴率)、さあこれから! というタイミングだったのだが、ここで成田はバイク事故で負傷してしまう。

 長らく身体も動かない状態だったというから、よほど重症だったのだろう。その影響で26年間も歌手活動を休止することとなる。

 もしそのまま活動していたら、我々が知る数多のアニソン有名曲のいくつかは間違いなく成田が歌っていただろう。

 26年のブランクの末、2007年より歌手活動を再開するのだが、そのきっかけとなるエピソードが面白い。

 当時、教会でボランティアとしてブルースハープを吹いていた成田。その流れで歌声も聞かせることとなり、そのため自身の曲のカラオケ音源を探す目的でコロンビア(レコード)に自ら問い合わせる。

 それがキッカケで、あれよあれよという間に復活が決まったのだという。

 本人いわくコロンビアで「成田死亡説」が流れていたほどらしいから、もう完全に会社とのつながりが切れていたのだろう。

 復活してからはライブやアニソンイベントに積極的に参加、そして12年には『009』新作劇場版『009 RE:CYBORG』のため「誰がために」をセルフカバー。

 初めてこの曲を聞いた時、成田をリスペクトする他のアーティストが歌っているのかと思ったが、あまりにオリジナルに「忠実」なリスペクトぶりなので調べてみたら、まさかの当人だった。

 自身のターニングポイントともなった記念すべき作品だけに、復活し再び「誰がために」を吹き込むことになったのは、当人的にかなり熱い思いがあったはずだ。

 

■誰もが知るあのCM曲も熱唱

 主題歌としては「誰がために」やデンジマンOP曲「ああ電子戦隊デンジマン」ED曲「デンジマンにまかせろ!」が有名だが、とある超メジャー商品のCM曲も成田が歌っている。

 それは東鳩キャラメルコーンのあのCM曲。

「キャラメ~ルコ~ン、ホホーウホホォーウ」

 あのお馴染みのカントリー調のフレーズは当時成田が歌っていたのだ。

 そして、若い世代的にも『獣拳戦隊ゲキレンジャー』(2007)で挿入歌(「1-2-3-4激気正義!」)を歌っており、名前は知らなかったにしても、その声に耳馴染みのある元・ちびっ子は多いはず。

 09年のアニメ『メタルファイト ベイブレード』では主題歌の訳詩を担当するなど多才な面も見せていた。

 ブランクがありながらも世代をまたぎ歌い続けた成田賢。

 最近も、似合わない絵文字だらけのTwitterを、なりすましかと思われそうな頻度で更新したり、ユーチューブに上げられていた自分の曲(おそらく無許可。太平洋沿海フェリーのイメージソング「海へ出よう」)にガチ感謝のコメントを投稿したりと、何かを取り戻さんとするかのように精力的だった。

 そんな最中の訃報。

 休んでいた分も、もっとその歌声を聴かせてほしかっただけに残念だ。

 慎んでご冥福をお祈りします。
(文=柿田太郎)

最終更新:2018/11/15 23:00
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