「英語を仕事にできる人」と「しゃべれるけど仕事にはできない人」は何が違う?
#インタビュー #英語 #石徹白未亜 #語学
■日本語発音の「ビール」はアメリカ人には「ミルク」に聞こえる
――日本人の英語にまつわる機内トラブルなどはありますか?
渡部 日本人で多いのは、「ビールと牛乳」のトラブルです。ビールは「BEER」、最後はRです。ただし、日本人が日本語英語の調子で「BEER」と言うと、アメリカ人にはその「R」が「L」に聞こえてしまうんです。そうすると「MILK」なのかと、牛乳が出されてしまうんですね。
「ビールを注文したのに牛乳が出てきた、馬鹿にされているのか?」というような声をいただくことがよくありましたが、これは本当によくあることなんですよ、とお伝えしていました。
――日本人が照れくさくて苦手とする「R」の発音ですね。「照れくさい」「恥ずかしい」という日本的思考は、案外英語習得のラスボスなのかもしれません。「大人が機内で注文するんだから、普通牛乳じゃなくてビールだって分かるでしょ?」というのも、考えてみれば日本的な「察してくれ」の文化ですし。
■早かったり、分からなかったら遠慮なく聞き返していい
――英語上達のためには、英語を使う場所に身を置くことが大切なんですね。
渡部 そうだと思います。今はネットを利用した様々なサービスがありますよね。例えば、「ミートアップ」というサービスがあります。外国人と話すためのパーティーや、趣味の集まり、勉強会を探すプラットフォームで、主催をすることも、参加だけすることもできます。さまざまなミートアップがあるので、検索してみるといいですよ。
――いざ参加してみて、相手が言ってることが分からない時はどうすればいいでしょうか。
渡部 聞き取れない理由は、まずスピードだと思いますので、「Could you speak more slowly?(もう少しゆっくり話してください)」と聞きましょう。
――ゆっくり話しているのに、分からない! というときは、どうすればいいでしょう。
渡部 そういったときに便利なフレーズが、「Can you rephrase it?(言い換えていただけませんか?)」です。簡単に「Simple English please.」でもいいですね。
――英語って、類義語がかなり多いですから、「Simple English please.」って、いいですね。
渡部 何回も聞き返したっていいんです。逆に、一番やってはいけないのは笑顔で、わかったふりをすることですね。
――怖さや恥ずかしさからそうしてしまう日本人は多いでしょうね。
後編では引き続き渡部氏に、うっかり日本人が使いがちな「英語のスラング」の注意点について伺う。
(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])
■渡部泰子
東京生まれ。TOEIC985点。総合商社、外資系企業などに勤務後独立。株式会社マグノリア・コンサルティング代表。通訳、リサーチや海外とのコーディネーション、個人/企業向けの英語トレーニングを行っている。
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