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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 英語を仕事にできるか・できないか
【インタビュー中編】

「英語を仕事にできる人」と「しゃべれるけど仕事にはできない人」は何が違う?

『英語がサクッと口から出る 英語の「筋トレ」4センテンス繰り返しCDドリル初級編』(主婦の友社)

 一言で「英語ができる」といっても色々な段階があるが、その最高峰といえるのが「仕事で英語を使える」レベルだろう。『英語がサクッと口から出る 英語の「筋トレ」4センテンス繰り返しCDドリル初級編』(主婦の友社)著者の渡部泰子氏は、帰国子女やインターナショナルスクール出身者でなく、英語の勉強は中学生からだがTOEIC985点。通訳、英語講師を仕事にしている、学習による英語のプロだ。そんな渡部氏に、前編に引き続き日本人の英語学習の問題点や、英語を仕事にすることについて話を聞く。

【インタビュー前編はこちらから】

■「英語できない」はスキルより失敗を恐れる国民性にある

――渡部さんご自身は、幼少期からガッツリ海外漬けの生活をされていたわけではないですよね。

渡部泰子氏(以下、渡部) はい。英語は好きでしたが、英語教室などもさほどポピュラーではなかったように記憶しています。英語自体は中学の授業から学び始め、短大の英文学科に進み、19歳のときに初めてホームステイで海外に一週間行きました。その時はまだ「英語で気持ちを表現する」という段階ではまったくありませんでしたね。

 その後、就職したのですが、英語を使うことや学ぶことはあまりなく、やはり英語が学びたい、そして仕事で使ってみたいと、会社を辞めてカリフォルニア大学サンディエゴ校付属の、母国語が英語でない学生に向けた語学学校に半年間留学したんです。生徒は多国籍で、当時はヨーロッパの人が多かったです。

――ドイツ、フランス、イタリア、スペインなどの人たちの言葉は、「日本語と英語」よりは母国語が英語に近いですよね。そういった人たちはやはり日本人より上達が早いでしょうか?

渡部 早いと思います。それには要因が2つありますね。まずお話にあった「日本語より母国語が英語に似ている」という点です。単語も英語と似ているものが多いですし、その点では習得しやすいでしょうね。ただ、そういったこと以外に、「性格」という点も大きいと思います。

 日本人はシャイで控えめで、他人に迷惑をかけてはいけない、目立ってはいけない、というところがありますよね。語学学校でイタリア系ブラジル人の方がいましたが、見事に3ヶ月でペラペラになって帰っていったことを鮮明に覚えています。彼女は性格がラテンで、恥ずかしがったりしないし、人との交流を楽しめるんです。そういった性格の違いも大きいと思います。

――私自身も6週間ですが留学していました。そのときに、関西の人は物おじしないし、話すのが好きなので上達が早いな、と感じました。「日本人の英語できない問題」はスキルより、案外メンタルによるところが大きいのかもしれないですね。

 多国籍の生徒たちの中で授業を受けていて、「言葉が分からなくて恥ずかしい」という感覚は、日本人がやはり顕著でしたか?

渡部 そうですね。あと、決めつけてはいけないんですが、「恥ずかしい」という感覚は男性に多い気がします。特に女性がいると「カッコ悪い所を見せられない」となってしまう。

 

■ちょっと使えるようになったら、ビビらずにすぐに飛び込め!

――英語のスキルを大きく分けると「物おじせず旅行ができるレベル」「日常会話ができるレベル」「仕事で英語ができるレベル」の3つになると思うのですが、渡部さんの場合、留学から帰ってきたあと、早速仕事として英語を使うことを始めていますね。

渡部 はい。ご縁があって、最初の仕事はIBMでの英語を使ったアシスタント業務でした。職場は多国籍でしたね。

――英語で仕事をするって、とんでもなくハードルが高そうですが……。

渡部 英語はちょっとできるようになったら、できるだけ使える環境に行くことをお勧めします。仕事に限らずプライベートでも、キッカケをつかんで自分からその場に身を置くことで、英語に慣れることになりますから。

 また、IBMの仕事はアシスタントでしたので、センテンスは短く、交渉するような立場ではありませんでしたし、当時の自分の英語のレベルに合っていたというのもよかったですね。

――ただ、その後渡部さんはユナイテッド航空の機内通訳(※機内での英語、日本語双方を用いたお客様対応。フライトアテンダント業務でなく、通訳専門のスタッフ。現在は募集していない)に転職します。トラブル対応も含まれる仕事で、使う英語のレベルも一気に難しくなりますよね。不安はなかったのでしょうか。

渡部 このポジションは機内に一人しかいないからものすごく不安でしたね。最初のフライトの時は、「あっちの人が何か言ってる!」とフライトアテンダントの腕をつかんでしまったこともあって、子供っぽかったなと反省しました。

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