「英語が喋れるようになりたい」で毎年大勢挫折するのはなぜか? 英語のプロに聞く英語学習法
#インタビュー #英語 #石徹白未亜 #語学
「日本人は英語が苦手」とよく言われる。英語の教材を買ったり、英語教室の門を叩いたものの、モノにならず自己嫌悪という人は毎年数多いるだろう。日本人の英語学習には何が足りないのか?『英語がサクッと口から出る 英語の「筋トレ」4センテンス繰り返しCDドリル初級編』(主婦の友社)著者の渡部泰子氏は、帰国子女やインターナショナルスクール出身者でなく、英語の勉強を始めたのは中学生からだが、TOEICは985点。現在通訳、英語講師を仕事にしている、学習によって英語を習得したプロだ。そんな渡部氏に、日本人の英語教育の問題点について聞いた。
■英語の学習が挫折するのは、目的がぼんやりしているから
――渡部さんご自身は幼少期からガッツリ海外漬けではないのに、英語を仕事とされていますよね。どうすれば、英語はうまくなるのでしょうか。
渡部泰子氏(以下、渡部) 「英語を学んでどうなりたいか」という目的を持つことがまず大事ですね。「なんとなく英語が話せればいいな」という人は伸びにくいと思います。
――「なんとなく話せればいい」で勉強して挫折してを繰り返している人は私も含めて多いでしょうね。耳が痛いです。
渡部 「なんとなく」の何がいけないかというと、なんとなくだと学習範囲が定まらないんですよね。ですから「海外旅行に行ったらショッピングは全部自分でできるようになりたい」というのもいい目的だと思います。中学程度の文法を把握していれば、あとはショッピングの会話の実例をどんどん練習していけばいいと思います。
――「なんとなく」から「ショッピング」になるだけで、やるべきことが一気に明確になりますね。
渡部 はい。私は企業の従業員の方に向けた講師の仕事もしていますが、例えばアミューズメントパ―クの会社さんからご依頼を頂いた際は、事前にその施設に行き、できるだけいろいろな乗りものを試します。そうすることで、そのアミューズメントパークで実際に、本当に使える表現をお伝えすることができますから。
――「英会話教室に通う」「英語の参考書を買う」という場合も、「自分はこういう英語がしゃべりたいんだ」というより具体的なシーンをイメージした上で、教材を選ぶことが大切なんですね。よく、「外国人の友達を作る」というのも語学上達に効果的なこととして挙げられますが、これもちょっと漠然としていますね。
渡部 ですので、「外国人の友達とごはんを食べに行く」とか、よりフォーカスするといいと思います。
――確かに「なんとなく友達と話す」より「食事する」なら、シーンが見えて、準備しておくべきことが分かりますね。
渡部 また、毎月でテーマを決めても面白いですよ。例えばある月は政治系の単語帳をひたすら作ったりとか。これはプロの通訳もやっていることです。
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