”元祖イケメン俳優”原田龍二、「ジュノンボーイ」から「裸のおじさん」になるまで
#インタビュー
――そういうふうに「イケメン」の一語で回収されてしまうことへの反発から、『ガキ使』のようなぶっとんだことに挑戦したかった……という気持ちもあるんでしょうか?
原田 いや、今はもうどう思われてもいいですし、どういうふうに形容されても自由だと思っています。自分さえ自尊心をしっかり握りしめていればいい話で、「裸になって面白いことやってくださいよ」って言われて、やって笑ってもらえたらいいですから。ブルース・リーじゃないですけど、水のようにいろいろ形を変えながら、心は常に白くいたいですね。いろんな色に染まれるように。今は“裸色”に染まってます(笑)。
――思い描いていた未来は裸色ではなかったと思うんですが、若い頃から現在のような立ち位置を目指していたんですか?
原田 いえ、僕はそもそも数年でやめると思っていたというか、そういう予定だったんですよ。予定が狂って、こんなに長くやることになりました。できると思ってなかったんです。人前に出て何かやるのが恥ずかしいし、人の期待に応えられない。役者って、「恥ずかしい」と思っていたら、できない仕事なんですよ。一番いらない感情ですから。だから向いてないし、これは到底続けられないな、と。今も何も変わってないです。慣れてきてはいるけど、基本的に人前で何かやるのはすごく苦手です。
――そうなんですか? 全裸バスタブ会見をやっておきながら!?
原田 あれは、マスコミのみなさんがわざわざ来てくださってますし、何しろ裸って、かっこつけないでいいじゃないですか。若い頃から、かっこつけるのは本当に苦手です。自分の見せ方もわからないから、芝居でも監督とディスカッションして「いや、俺はこう思う」なんて1回も言ったことないですね。
――でも、役によっては当然「かっこつけてくれ」と要求されることもありますよね?
原田 もちろん、かっこいい役もたくさんやらせていただきましたけど、疲れますね……。「かっこいい」と言われることは当然嫌じゃないけど、言われないほうが楽ではあります。ただ、どう考えてもかっこいいとはいえない「変態仮面」の姿でも、「かっこいい」と言われたことがあるので、人の意見は十人十色なんですよね。だからもう、そこは気にしていないです。
――昔からのファンの中には、失礼ながら「めちゃくちゃかっこいい俳優さんだと思って好きだったのに、変わってしまった……」と思う人はいないんでしょうか?
原田 もちろん、そういうご意見もあります(笑)。でも、その方のためだけにやっているわけじゃないですから。否定的な意見はあって当然だし、それでいいと思います。一方で「あの頃はこういうことはしなかったけど、今は今でいいですね」と、昔から温かい目でずっと見てくれている方もいて、それはうれしいです。基本的に、僕が仕事を選んで発信しているわけではなくて、いただいた仕事をその都度全力でやるだけですから、それについてきてくれるんだったら「ありがとうございます」と。一方で、若い人からは「風変わりなおじさん」って思われてますけど、それで本望です。だって、本当に変なおじさんだから(笑)。
(取材・文=斎藤岬)
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