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日刊サイゾー トップ > 社会  > 「企業主導型保育所」の落とし穴

助成金に頼りすぎ? ずさん経営で閉鎖も相次ぐ「企業主導型保育所」の落とし穴

「育成協会に申請書類を出しても、1回ではまず通らない。たいてい足りない部分があって差し戻しを受け、やりとりを繰り返します。制度ができてからまだ3年目で、毎年求めてくる内容が違い、用意に手間暇がかかる。育成協会も人員を増やして対応していると聞いていますが、思ったより申請数が多く、作業が追いついていないのかもしれません」(同)

 手厚い助成金のためか、設置企業は必ずしも大企業に限らない。事業を拡大しようとする企業が若手社員の募集に向けて、先行投資として設置する場合もあるのだという。投資が成功すればいいが、仮に本業が傾けば保育所運営にも影響が出かねない。

 また、保育所運営に携わったことのない畑違いの企業が、保育事業者に運営を委託せず、直営で保育所を開設するケースもある。

 保育スタッフの半分以上が保育士であるという基準を満たしていれば、保育とまったく関係のない仕事をしていた人を充てることも可能というわけだ。保育所参入の門戸を広げ、企業のパワーを生かして待機児童解消を目指す制度とはいえ、少々心もとない。

 加えて今は全国的に保育士不足で、保育士は引く手あまた。

「保育士が子どもたちを残して突然保育所を辞めることは、苦渋の決断だったはずです。だけど保育士にも生活はあるし、経営が危ういところでは働けないと思われても仕方ありません」(同)

 企業主導型は定員の半分まで地域の子どもたちを受け入れることができるため、従業員でなくとも子どもを預ける可能性がある。設置企業の責任は重い。

 利用者が突然の閉鎖などのトラブルに遭わないための方法を聞くと、関係者はこう強調した。

「利用前に、設置企業がどんな企業で、経営が危うくないかなどを調べる。直営でなく保育事業者への委託なら、その実績も調べるべきです」

最終更新:2018/11/14 14:00
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