暗黒卿ダースベイダー化しちゃった尾上菊之助!! おっさんずラブも乱れ咲く『下町ロケット』第5話
#ドラマ #TBS #下町ロケット #阿部寛 #どらまっ子
週に一度のお楽しみ、阿部寛をはじめとするオジさん俳優たちがその熱さとクドさを競い合う熱血理系ドラマ『下町ロケット』(TBS系)。前半戦となる「ゴースト編」は今回で完結です。裏切りに続く、裏切りの連続となった『下町ロケット ゴースト』第5話を振り返ってみたいと思います。
(前回までのレビューはこちらから)
佃航平(阿部寛)率いる中小企業「佃製作所」が高性能バルブシステムを提供している純国産ロケット「ヤタガラス」7号機がついに完成しました。ちなみにヤタガラスとは、日本神話に登場するアマテラスオオミカミが遣わした大烏のことで、山の中で迷っていた神武天皇を救い出したと言い伝えられています。これからの日本産業を新時代へと導いてくれる可能性を秘めた宇宙ロケットなのです。「帝国重工」藤間社長(杉良太郎)の「我々が打ち上げるのは、人類の未来だ」というスピーチに、宇宙航空部の財前部長(吉川晃司)は感慨深げに耳を傾けています。
10年間にわたってロケット開発に情熱を注いできた財前部長ですが、今回のロケット打ち上げに成功すれば現場を離れることが決まっています。上層部の命令によって職場異動させられるのは大企業の宿命とはいえ、名残り惜しそうな財前部長。佃社長はそんな財前を新潟県燕市へと誘い出します。「佃製作所」の経理部長・殿村(立川談春)の実家の水田がようやく実り、「佃製作所」の有志で稲刈りを手伝うことにしたのです。
立花(竹内涼真)、アキ(朝倉あき)、迫田(今野浩喜)ら「佃製作所」の若手社員たちが作業着に着替えているのに対し、財前はスーツ姿で稲刈りに汗を流します。財前にとっては、スーツこそが男の戦闘服なのでしょう。このとき、財前は閃いたのかもしれません。「オシャレなスーツ姿のまま、かっこよくアグリカルチャーできないだろうか」と。財前の稲刈り体験は、後半戦への大きな布石となるのでした。
今回はロマンスグレーも眩しい財前部長の“萌え”シーンが満載でした。ロケット打ち上げ前日、藤間社長に呼び出される財前。「今までよくやってくれた。君は真っすぐな男だなぁ。私はそんな君が好きだ」と藤間社長から、まさかの愛の告白です。藤間社長の長年の夢であるロケット開発を成功させたことで、財前はその愛に報いたのです。藤間社長から肩に手を乗せられ、財前は顔を真っ赤にしてプルプル震えるのでした。大宇宙へと飛び立つロケットですが、藤間社長と財前部長とのプラトニックな関係を知ってしまうと、発射シーンがとても意味深に感じられてしまいます。考えすぎでしょうか。
■「正義は我にあり」と叫ぶ佃社長は意外に姑息だった
一方、「帝国重工」時代に辛酸をなめさせられた伊丹(尾上菊之助)と島津(イモトアヤコ)が共同で創業したベンチャー企業「ギアゴースト」も、風雲急を告げることに。悪徳弁護士の中川(池畑慎之介)の策略によって、15億円もの損害賠償を求められた裁判に巻き込まれています。天才エンジニアである島津が開発した新型トランスミッションは特許侵害ではないことを証明したいのですが、どうにも決め手が足りません。
「正義は我にありだ」と威勢のいい佃社長は、「ギアゴースト」を救うために姑息な手段に訴えます。「証拠がないなら、新しい証拠を出してもらおう」と中川弁護士を罠にはめることに。中川弁護士と内通している「ギアゴースト」顧問弁護士・末長(中村梅雀)の悪行を暴くため、末長の事務所を訪ねた島津にわざとICレコーダーを仕込んだカバンを置き忘れさせたのです。このICレコーダーには、中川が末長から「ギアゴースト」の情報を不正入手していたことが分かりやすく録音されていました。
「ギアゴースト」の弁護に立った神谷弁護士(恵俊彰)はさらに念押しとばかりに、末長が買収されていた事実を認めた確認書を裁判官に提出します。末長は土壇場になって、策士・中川を裏切ったのでした。「畜ッ生~!!」という負け犬の遠吠えと共に、中川は警察へと連行されます。前シリーズ同様に前半戦を盛り上げた中川弁護士は、ここで退場です。
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