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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『SUITS』ショボイ案件も視聴率回復

『SUITS/スーツ』第5話 ショボイ案件だったけど、再放送と織田裕二のバラエティ稼働で視聴率2ケタ台に復帰

■『ONE PIECE』のセリフじゃスタイリッシュにならないよ……

 メインの案件がショボかったため、それ以外の余計な要素にばかり気を取られてしまった。

 糸井の勤める運送会社の顧問弁護士である蟹江貢(小手伸也)に示談に向けての説得を頼むため、交換条件として出されたのが、甲斐の秘書・玉井伽耶子(中村アン)の貸し出し。

 蟹江のことをメチャクチャ嫌がる伽耶子ともめまくった挙げ句、伽耶子が自殺未遂(の演技)をすることで諦めさせるというくだり。……なんだこれ。案件がアッサリ解決したから時間が余っちゃったのか?

 さらに今回、やたらと『ONE PIECE』の名ゼリフがぶっ込まれていたのも鼻についた。

 原作であるアメリカ版は映画などのセリフを引用した小粋な会話が売りなのだが、日本版ではこれまでそれらしい会話は出てこなかった。

 今回、突如として引用セリフが出てきたと思ったら、まさかの『ONE PIECE』から……。

 同じフジテレビということで、セリフを引用する許可をちゃんと取れたから、という事情があるらしいが、大輔と遊星の間で『ONE PIECE』のセリフが交わされるのはまだしも、ハーバード大学出身のアラフィフである甲斐が突然『ONE PIECE』のセリフを引用しだす違和感ったらない。

 アメリカ版ではスタイリッシュな演出の一環として取り入れられている映画のセリフ引用。それがアニメのセリフではスタイリッシュになりづらいだろう。

「えっ、甲斐先生『ONE PIECE』読んでるんですか? 今のドフラミンゴのセリフですよね」

 とか解説しちゃうのもダサイ。許可を取った手前、作品名を出さないわけにはいかなかったんだろうけど……。

 運転手・赤城とのジャズCDのやり取りにしてもそうだが、スタイリッシュにしようとしてやった演出が全体的にすべっている感じがする。

 

■視聴率2ケタキープ大作戦にも注目

 今回気になったのは、サブタイトルに「新章、スタート!」とついていたこと。

 前回までで何かが一区切りついていたわけでもないし、今回、何かが新しく始まった様子もない。いつも通りの(むしろいつもよりショボイ)回だった。

 あるとすれば、ラストに甲斐の元上司・柳慎次(國村隼)が登場して「手を貸して欲しい」と頼んできたことか。

「私の事を一番理解しているのは君だと思っているから」

「だからこそお断りします」バラララッ、バラララッ、イエーッ!(B’zの歌)

ここの演出も、スタイリッシュを目指しすぎていて逆に笑ってしまった。B’zの歌じゃあスタイリッシュにならないよ……。

 まあ、柳は今後、ストーリーに大きく絡んでくるだろうなとは思うが、「新章、スタート!」に関しては、それよりも視聴率的な事情が強いんじゃないかと想像してしまう。

 前回、視聴率が一桁台に陥落してしまったことに危機感を覚えたのか、第5話の放送前日には「1~4話全て見せます!スペシャルダイジェスト!」なる特番を放送し、放送当日の『バイキング』に織田裕二がVTR出演。さらに夕方には第4話の再放送をしていた。

 そこまでやった上で「新章」ってつけとけば、新規の視聴者も食いつくんじゃ!? という作戦だったんじゃないだろうか。

 作戦が功を奏したのか、第5話の視聴率は11.8%(関東地区)。

 この2ケタ台の視聴率をキープしていけるのか、そのためにフジテレビがどんな作戦を講じてくるのかにも注目していこう。
(文とイラスト=北村ヂン)

最終更新:2018/11/12 19:30
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