『リーガルV』島崎遥香が100億円の遺産相続を目論む「下品で強欲な最悪の女」を演じ切れず、脚本も稚拙
#ドラマ #テレビ朝日 #米倉涼子 #どらまっ子 #大羽鴨乃 #リーガルV
そんな中、遺言書が見つかったと原告側が主張。そこには正太郎へ全財産を相続する旨が記されてあるのですが、京極が筆跡鑑定人100名へ依頼したところ偽造書であることが判明。正太郎は、遺言書を提出する際に依頼した筆跡鑑定人に金を掴ませていたのです。
これによって正太郎は遺産相続の権利を失い、200億円すべて玲奈のものに。と思いきや、海崎が召喚した峰島の担当医が、婚姻届を提出するために死亡診断書を偽造するよう玲奈から依頼され、現金で3,000万円を受け取ったことを証言。これを玲奈が認めたため、莫大な遺産は国に徴収されることになるのでした。
しかし後日、峰島の墓参りをしていた小鳥遊の前に偶然あらわれた元ドライバーの証言によって、峰島が生前、玲奈の故郷の村を訪れていたことや、牧場を寂れさせてしまったことに対する後悔の念を抱いていたことが発覚。さらに遺言書が見つかり、そこには村へ全財産を寄付することが書かれてあったのです。これを留置所で聞いた玲奈が涙したところで今回は終了となりました。
さて感想ですが、今回の主役である玲奈の“真の姿”を、島崎遥香が上手く演じ切れていなかったように感じました。莫大な遺産を目論む表の顔、正太郎いわく「下品で強欲な最悪の女」という点では、塩対応だのなんだのとAKB48時代から批判されてきた島崎の負のイメージが重なり、その役柄にマッチしていたと思います。不敵に笑う表情などは、見ていてイラっとさせられました。
ただ、脚本の意図としては、純朴な田舎娘が故郷の復讐のため悪の仮面をかぶる、というキャラを創造したかったのでしょう。それが上手くいかなかったのは、島崎の演技力不足もあるでしょうが、脚本そのものが稚拙だったという要因もあると思います。
脚本に関しては玲奈の描き方以外にも杜撰な部分が多かった印象です。たとえば原告側の証人として茅野が出廷した点や、正太郎がすぐに偽造が露見してしまうような遺言書を提出した点。さらに、玲奈が峰島の死亡診断書を偽造するよう命じた医師を、海崎が出廷させることに成功した手段も不明でした。そして、相当な覚悟をもって復讐に挑んだハズの玲奈が、医師の証言であっさり罪を認めてしまうのも腑に落ちませんでした。
先月30日に発売された週刊誌「FLASH」(光文社)の記事によれば、同ドラマはすでに来年の同枠で続編が放送されることが決定しているとのことですが、シリーズ化するほどの魅力があるのか疑問です。確かに視聴率はいいかもしれませんが、米倉涼子の人気に依存しているだけではないでしょうか。もう少し内容をブラッシュアップすることを期待しつつ次週放送を待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)
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