旅ではなく新たなライフスタイルの提案 全国のホステル泊まり放題「ホステルパス」が、とてつもなく魅力的だ
近年、旅は手軽になった。かつては、宿代を浮かして1日でも長く旅をしようとすると、手段は、旅人を相手にする、とほ宿やライダーズハウスのような施設。でも、その数は決して多くはなかった。
それが、ここ数年の変化はどうだろう。ホステルとかゲストハウスという看板を掲げる低料金の宿は、驚くほどに増えた。こうした宿は、意外にも楽しい。旅をしていると、けっこうあるのが妙な孤独感。あちこち、観光地を見て回っているのはいいけれど、他人と会話するのが「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」くらいしかない時もある。
でも、そうした宿に泊まると、一種過剰なくらいに交流できることも多々ある。やっぱり、ネットでの交流が当たり前になった時代、よい面も悪い面も含めて、そうした出会いは新鮮だ。
そんなことを知ってしまうと、もっと旅に出たくなるのが人の常。そんな中、手軽に旅ができそうなサービスが準備されているのを知り、さっそく当事者に話を聞いてみた。
空き家問題の解決等の地域創生に取り組む株式会社Little Japanがリリースを予定している「Hostel Life」が、それだ。これは、「ホステルパス」というメンバーカードを所有することで、一定額で全国の参加ホステルが、泊まり放題になるというもの。現在、予定しているサービスでは、日曜日~木曜日限定(一度に予約できるのは2泊まで)で、有効期間1カ月の場合4万円だが、有効期間1年のプランでは18万円になり、1カ月あたりは1.5万円となる計算。この金額で、全国で泊まり放題になるなら、安い!
気になるのは、いったい全国でどれだけのホステルが参加するかということ。その点を同社に尋ねて見ると……。
「東京数カ所、地方の主要都市から離島まで幅広くご参加いただく予定です。現時点で、10以上のホステルの参加が決まっており、今後も増え続けていく予定です」
現在、リリース準備段階であるが、参加するホステルが増えれば、よりお得感は増しそうだ。
この「ホステルパス」。今年2月に同社が運営するゲストハウスLittle Japan(浅草橋)でのみのサービスとして先行して実施しているそうだが、現状でも利用する年齢層は20代~50代と幅広い。
「東京で、通勤に時間がかかる所に住まれており、通勤時間を削減し、時間・体力・お金を有効活用する方や、地方に住まれており、東京出張で利用されている方がおられます。利用者層も、お勤めの方は自営業から大企業、学生の方までと多様ですね」
何より、このサービスで目新しいのは「ホステル」の利用を旅ではなく、新しいライフスタイルとしていること。
「今回のサービスは、Airbnb等の既存のサービスと異なり、旅行者向けのサービスはなく、新しいライフスタイルを提案するサービスだと思っています。実際利用している方でも、旅行者は一人もおりません。手頃な価格帯で、利用方法によっては、これまでの移動にかかっていた費用等を削ることで、むしろ出費を抑えられ、一部の富裕層ではなく、多くの人に、住居は1つでなくても良いという選択肢、多拠点生活という新しい選択肢を提示するサービスだと思っています。これまで住居が1つという中では、この中の1つだけを選ぶ必要がありました。多拠点生活はそうではなく、多くの選択肢を同時に選ぶことができる、自分にとって居心地の良い場をいくつも持つことができるものだと思っています」
「旅」という形で身構えなくても、さまざまな地域を移動しながら暮らしを営んでいくことが当たり前になる。ともすれば、一部の富裕層にしかできないであろうライフスタイルを、手軽に手に入れることができる。
誰もがうらやむ生活が、こんなに簡単に手に入れられる日が来るなんて! もう、家を借りるのやめて、これだけで暮らしていいんじゃないかな。
(文=昼間たかし)
「ホステルパス」先行予約
https://motion-gallery.net/projects/hostellife
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事