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週刊誌スクープ大賞

「売れなくて当然……」“老人・健康雑誌化”する週刊誌に名物編集長が喝!

 文春は、以前から安田氏がしていた安倍政権批判発言などが、自己責任論を燃え上がらせたのだと見ている。

 奥さん・深結(みゆう)さんについても取り上げている。彼女は有名なポップスシンガーで、出雲大社に20年前に魅せられ、13年には60年に一度の「出雲大社平成の大遷宮」の奉祝コンサートで、その美声を響かせ、島根県の親善大使・出雲観光大使も務めているそうだ。

 そうした縁もあるのだろう、あの安倍昭恵夫人とも昵懇で、深結さんが出した本でも対談している。

 ジャーナリストの常岡浩介氏が「昭恵さんに相談してみたら」と提案したら、昭恵夫人から「何もできませんが、お祈りしています」という返事が来たそうである。

 11月2日に安田氏は会見を開き、冒頭こう語った。

「紛争地に行く以上は自己責任。何があっても自分で引き受け、自分の身に起こることについてははっきり言って自業自得だと考えています」

 テレビで見る限り、時々息が荒くなることはあるが、著しく健康を害しているとは見えなかったので安心した。

 だが、長期にわたる拘禁生活は、想像していた以上に過酷だった。

 拘束生活のうち、約8カ月間は高さ1・5メートル、幅1メートルの独房に監禁されていたという。

「体の向きを変えるだけでも(両脇の部屋にいる過激派の男が=筆者注)音を聞いていて、枕の上で頭の向きを変えるだけでもその音を聞いている。鼻息も聞いている。鼻息がダメだというので、鼻を一生懸命かんで通そうとするけれど、鼻炎なので通らない。つばを飲み込むのもダメ。彼らが物音を立てる時にだいたい1分以内に動かないといけないという感じでした。身動きができず、声も出ず、水も飲めない。そんな日々が続きました」(安田氏)

 私は閉所恐怖症だから、こういう状態に何カ月も置かれたら気が狂ってしまうだろう。

 安田氏の妻に手紙を書けといわれたそうだ。しかし、「助けてくれ」と書くのではなく「オクホウチ」と書いた。

「これは、妻のことを『おく』と呼んでまして、それに『ほうち(放置)』と。妻には、何かあれば放置しろと常々言っていましたので」(同)

 奥さんには、もし自分に何かあっても何もするな。自己責任なのだから「放置」しろといっていたそうだ。

 死と隣り合わせの拘禁状態の中でも、冷静さを失わず、こう書けるのはすごいことである。

 肉体的にタフであるだけではなく、精神的にもそうとうタフな人である。

 日本政府の対応については、冒頭、「私の行動によって、日本政府が当事者にされてしまったことも申し訳なく思っている」と語ったが、「本人がどういう人物であるのかによって、行政の対応が変わるとなると、これは民主主義国家にとって非常に重大な問題だと思います」と、指摘もしている。

 これは、安田氏が以前、安倍政権を批判した発言があり、それをとらえて「政権に批判的な人間を助けるために身代金を払うのはおかしい」という声があることへの“反論”である。

 今後、再び紛争地取材に行くのかと記者から問われると、「行くかどうかは全く白紙です。分からないです」と答えた。

 別の記者からも「現地に行ったのは記者の使命からか」と聞かれると、「“使命”など、そういうおこがましいことを考えたことはない。“戦争”とは『国家が人を殺す』ということを伝えるために、(国家の発表でなく)第三者である外国人ジャーナリストが現地に行って伝えることが絶対に必要だと思うからです」と、明快に答えた。

【巻末付録】

 まず現代から。巻頭は『報道ステーション』にいた「小川彩佳『人生初グラビアの感想?恥ずかしかったです』-新天地へ」。もちろんヘア・ヌードではない。

 巻末は「平成最後の清純派、徳江かな-ファースト写真集が発売決定!」「女優・渡辺万美、あなたはもう見たか?-大ヒット・ヘアヌード」。

 袋とじは「2020年、子宮の旅-ミクロの1000分の1、ナノ単位で内部構造に迫る」。こういうものはいつ見ても、企画倒れだね。この中では渡辺万美がおすすめ。

 ポストはこれで勝負。「なをん/凪を待つ女-ゆうこの場合(3)」。「ヘアヌードで衝撃告白『初カラミのギャラは○○○○万円でした・・・』AV女優・永瀬みなも」は付け足し。

 やはり西田幸樹の写真がいい。ポストは毎週これ1本でいいんじゃない。というわけで今週は質で勝ったポストに軍配!
(文=元木昌彦)

最終更新:2018/11/05 21:00
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