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週刊誌スクープ大賞

「売れなくて当然……」“老人・健康雑誌化”する週刊誌に名物編集長が喝!

 さて、文春の片山さつき追及第3弾。青色申告の取り消しをなんとかしてほしいと、片山氏に依頼したX氏と片山が交わした携帯電話のやりとりの音声記録を公開している。

 そこで問題の100万円について、

「(南村氏は=当時の私設秘書=筆者注)私にそんなものは実費だって言ってましたけどね。私はちょっと金額としてお高いんじゃないですかということだけは(南村氏に)言いましたから、当時、はい」

 片山の事務所関係者によれば、このおカネは手付けで、国税への口利きが上手くいけば、1億円入ると片山が考えていたのではないかと、話している。

 疑惑はこれだけではない。政治団体から献金200万円を受けたにもかかわらず、関連団体の収支報告書に記載していなかったという。

 これについては、文春が取材した翌日、片山事務所が「記載漏れで訂正する」と回答してきた。それ以外にも、自著を政治資金で「爆買い」していたことも暴露されている。

 もともと片山嫌いだったが、女性を1人ぐらい閣僚に入れないと批判されると、無理やり彼女を起用した安倍首相だから、野党の追及に片山が耐えきれずに立往生すれば、すぐに彼女を斬る腹積もりだそうだ。

 テレビ東京の『池の水ぜんぶ抜く』が人気だそうだ。池の水をぜんぶ抜いたら何が出てくるのか。そんな素朴な疑問から始まった番組だが、昨年11月の放送では、裏番組のNHK大河ドラマを抜いて、視聴率12%超を記録したこともあるという。

 月イチのレギュラーになったが、文春によれば、池の水を抜いてきれいにして迷惑な外来生物を駆除するはずが、ボラを3,000匹も殺してしまったのだそうだ。

 10月14日放送の最新回。長崎県大村市の大村公園。ここは海に近いため海水と湧き水が混じる「汽水」の堀水。そこに千匹以上のボラが大量発生し、そのせいで池の水は濁り臭くなってしまったという。

 大村市の依頼で4日間かけて1万トンの水を抜いた。大量の魚を大勢のボランティアたちと出演者、市長も総出で網を使って次々にすくい、プラスチックケースに放り込む。

 ボラは湧き水で洗われ、ビニールシートを張った簡易水槽の中に。別の池に移して、そこから海へ放流する。

 だが、NPO法人「おさかなポストの会」の山崎充哲代表は、これを見ていて、大変悲しい思いをしたという。

 素人考えでもそう思う。水の入っていないプラスチックケースに投げ込めば、魚が傷つく。素手でつかむと魚は「火傷」してしまうそうだ。汽水で泳いでいた魚を真水に入れれば、大きなダメージを魚は受ける。

 そこからか海水に入れれば、魚にとっては大変なストレスになるそうだ。そのためクロダイ、チヌ、カワイワシは全滅。

「無理やり移動させられた魚たち約3千匹は死んでしまったとみて間違いないでしょう」(山崎氏)

 専門家も、ボラが生息していることで池の水が汚れるという科学的な根拠はないという。

 人気番組の力を借りて、池の汚れをとってしまえと考えた市側が悪いのか、魚の扱い方もよく知らないで、水を抜き、魚を移せば事足れりとする番組側の不勉強故か。突然、水を抜かれ海に放り出され、息絶えたであろう魚たちが哀れである。

 今週の第1位はジャーナリストの安田純平氏の解放、帰国を扱った新潮と文春の記事だが、内容がよくて1位にしたのではない。

 この問題を、じっくり読者に考えてもらうために、あえて取り上げた。熟読玩味してもらいたい。

 さて、シリアの過激派組織に3年以上も拘束されていた安田純平氏が解放されて帰国した。だが、相変わらず「自己責任論」や「身代金を払えば、海外に行く日本人の誘拐が増える」「国民や政府に迷惑をかけたのだから謝れ」という批判がある。

 新潮によると、身代金については、「在英国の人権団体からは、カタールの政府が約3億円の身代金を払ったとの情報も出ている。事実だとすると、それは『肩代わり』であり、いずれ日本政府が何らかの形で『弁済』しなければなりません」(大手メディア外信部デスク)という声もある一方で、日本政府の「国際テロ情報収集ユニット」という組織が動いたという見方もあるそうだ。

 このユニットは15年に発足し、定員は80名ほど。外務省、防衛省、警察庁、内閣情報調査室などから集められたメンバーで構成されていて、外務省内に設置されているが、全員が内閣官房兼任で、総理・官房長官直結の組織だと、公共政策調査会の板橋功研究センター長が解説している。

 安田氏救出のためにカタールやトルコの情報機関と信頼関係を築き、シリアの反政府組織と交渉してもらったのではないか。

 そうなると、身代金を払っていなくとも「日本政府がカタールやトルコに『借り』を作ってしまった」(板橋氏)ことになるため、これからの日本外交に少なからぬ影響を与えるというのである。

 国と国とが、過激派に拘束されている人間を救うために協力するのが、なぜ、貸し借りと考えなくてはいけないのか、私には解せない。

 また、安田氏が過去に、「自己責任を否定しない」といったことに対して、「結局、自己責任では脱出できなかったことが露呈しました」(アゴラ研究所の池田信夫氏)という声があるそうだ。

 安田氏のいう自己責任とは、紛争地域に潜入するのだから、万が一自分がどうなっても、それは自分の責任だという、ジャーナリストとしての覚悟をいったものであろう。

 拘束され、長い間過酷な状況に置かれれば、カメラの前で「助けてくれ」というのは、弱い一人の人間として当たり前だし、それを国が助けようというのも、至極当然のことである。

 新潮でジャーナリストの徳岡孝夫氏がこう語っている。

「大手メディアの記者はシリアのような危険地帯に行こうとしない。そこにフリーのジャーナリストが入って真実を報じようとするのは当たり前です。そりゃ、政府は危ないところには行くなと言うでしょう。でも、ジャーナリストとはそういうところに行くものです」

 福島第一原発事故のとき、真っ先に福島から逃げ出したのは大手メディアの人間たちだった。

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