戸田恵梨香『大恋愛』が『もののけ姫』裏でも2ケタキープ! TBS社長はドラマ見てないの!?
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■「侑市さん……」
尚ちゃんは、真司くんが頻繁にお出かけするのはファミレスだかどっかで小説を書いているのだと聞かされていました。しかし、自分のためにバイトしまくって倒れたことを知り、ショックを受けます。聞けば真司くんは、尚ちゃんの元婚約者で現主治医の井原先生に会いに行って「コンプレックスを刺激されちゃって」バイトを頑張ったのだそうです。
そんなに真司くんを苦しめていたなんて、小説を書く時間も奪って、身体まで壊させちゃって……自省する尚ちゃんに、真司くんは優しく語りかけてくれます。
「好きなんだぁ。好きになっちゃったら、どんな尚ちゃんだって、好きなんだから」
もうたまらなくなってしまった尚ちゃん。思わず病床の真司くんに抱きつきます。そして、その唇から言葉が零れ落ちるのです。
「好き……ユウイチさん……」
井原先生の下の名前は、侑市といいます。ちなみに井原先生はそのころ、3人連続で新たなお見合いに失敗したりしていました。どうやら“お嫁さん候補”としては不適格な尚ちゃんに、気持ちが残っているようです。
もう真司に頼ることはできない。侑市ほど頼りになる人間は、どこにもいない。そんな状況が、尚ちゃんに“言い間違い”をさせてしまいました。
固まる真司。尚ちゃんの“本心”を疑うには十分な言い間違いです。でも、認知障害者にとっての本心って、またそれは複雑な話ですしねえ。心と認知って、どっちが先なのか、みたいな。うーん、切ないばかり。面白い。次回へ。
■職業意識高い系ドラマ
この作品が見やすいのが、みなさん“大恋愛”しつつも、基本的な行動原理が職業意識に基づいていることです。
若年性アルツハイマーの権威である井原先生は、尚ちゃんとの結婚破談話よりもとりあえず治療についての話を優先しますし、尚ちゃんも自分の症状と向き合う中で、現役の産科医としてできることを模索しながら誇りを保とうとしているように見えます。尚ちゃんが真司くんに唐突なゾッコンLOVEしたきっかけも、真司くんの仕事である小説『砂にまみれたアンジェリカ』でしたし、引っ越し屋のバイトという職業が出会いの場を与えている。
結局、多くの健康な大人にとって生きることと働くことはほぼ同義なわけで、仕事と個人的感情の密接な関係が描かれることで作品の節度が保たれていると感じます。そのへんが心地よいところですし、だからこそ尚ちゃんが精神的健康を損なっていくという先行きに興味を引かれるのだと思います。
あと、前回も言及したところですが、この作品は美味しいものを美味しそうに食べるシーンが非常に効果的に挿入されているように感じます。真司くんが「初めて食べた」というウニとか、井原先生の回想で美味そうに中トロをほおばる尚ちゃんとか、尚ちゃんと真司くんの肉フェスデートとか。後々、アルツハイマーによる味覚の変化を描く伏線なんだろうなと、泣いちゃわないように勝手に身構えておこうと思います。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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