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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『今日俺』名場面がカット!?

『今日から俺は!!』第3話 太賀好演も、ドラマ版オリジナルパートにシラケる

■ムロツヨシと佐藤二郎の出番を削れば描けるはずの名場面

 なぜ、ここまで原作のストーリーにこだわるか? 第3話、途中まではすごく良かったが、ある場面を契機に台なしになってしまっているのだ。

 問題は、唐突に挿入されたドラマ版のオリジナルストーリーである。いよいよ、三橋と智司が相まみえようとする時、いきなり理子の父・哲夫(佐藤二朗)がやって来て、智司に一発KOされた。

 ここまでは、まだいい。ただ、三橋と智司のタイマンが佳境に入ろうとする時に割り込んだ椋木先生(ムロツヨシ)ら教師陣だけは……。それまではかなり見入っていたのに、冷水をぶっかけられてシラけた。福田組独特のボケだとはわかっているものの、この場面でそのユーモアは承服できない。シリアス過多の雰囲気をほっこりさせるのが狙いなら、その役目は今井や京子あたりに任せればいいのに!

 オリジナルストーリーが挿入されたせいで、原作に存在した大事な場面が削除されている。

 三橋と智司のタイマンは、一進一退。その最中、「俺が誰だかわかってんのか? 開久の頭だぞ!」と吠える智司に、「俺は三橋貴志だ。俺よりエバッた奴は叩き潰す」と言い返す三橋。その言葉に呆然とする智司。

 原作版では、ここから智司にスポットが当たる。「俺はいつから開久の頭なんかに納得しちまったんだ」「強えな、自分のハタ振ってる奴はよ……」と、肩書に酔う自分に嫌気が差し始めた智司。

 そんな時、開久のOBと鉢合わせした智司。三橋らに手こずる智司に「どこまで人の顔に泥塗ったら気が済むんだよ!」とすごむOB。三橋に感銘を受けた智司は、躊躇せずOBらをぶん殴り「やっぱ不良はこーでなきゃなんねーな」と、考えを改めるようになる。

 敵である三橋を、内心では認めている智司。ただケンカが強いだけでなく、漢気もある男と描写する大事なくだりである。ここが、ドラマではバッサリと削除された。しかも、代わりに挿入されたのが前述のギャグパートなのだ。原作にないオリジナル展開も、面白ければもちろんありだ。しかし、今回は蛇足だった。ムロと佐藤の出番を削ったらちゃんと描ける、いいシーンがいっぱいあるというのに。

 原作版は、ギャグとシリアスのメリハリがしっかりしていた。開久との抗争は三橋にとっても大事な回。キメる時はキメる男だから、三橋は魅力的なのだ。オリジナルストーリーを挟み込むことで台なしになった要素が多いと思う。そこが残念だ。

(文=太賀寺西ジャジューカ)

最終更新:2018/11/04 16:00
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