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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 『怪奇大作戦』Blu-ray化も「欠番」

「キチ●イ」連呼は、やっぱり無理か……『怪奇大作戦』Blu-ray版でも「第24話は欠番」

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 やはり、あの回は封印されたままなのか。

 円谷プロ製作の特撮テレビドラマ『怪奇大作戦』のBlu-ray BOXのリリースが告知されるも、特撮ファンの間では落胆の声が広がっている。

『怪奇大作戦』(TBS系)は1968年から全26話が放送された特撮テレビドラマである。それまでの円谷プロが制作した作品とは異なり、登場するのは怪獣ではなく科学を悪用した犯罪や怪奇現象。それに立ち向かう組織「SRI」の面々を描いた怪奇ドラマである。

 ストーリーはどれも骨太で、第10話「死を呼ぶ電波」では殺人電波を発射するテレビ、第16話「かまいたち」では真空切断装置など、科学を用いた犯罪が次々と登場した。中でも第5話「死神の子守唄」は、原爆症(本編では原爆病)の悲劇を描いた“神回”として知られている。

 だが、そんなシリーズの中には封印作品がある。それが、第24話「狂鬼人間」だ。

 このエピソードは、家族を殺された科学者の女性が、殺人を目論む人々を「脳波変調機」で人為的に精神異常にして殺人を実行させるというもの。当時の刑法第39条第1項に記されていた「心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セス」を利用して、殺人を犯しても無罪になるという法の抜け道が描かれているのである。そんな内容のため、出演者のセリフでも「キチ●イ」などの“放送禁止用語”が連呼されるというものになっている。

 これが、いかなる理由で欠番になったかは正式には明らかにされていないが、差別用語の連発や描写の問題などから、いつの間にか封印作品となっていた。

 だが、放送以後すぐに問題になったわけではない。1983年に発売されたビデオカセット版には「狂鬼人間」は収録されており、それどころか「現在では再放送不可能」といった煽り文句すら記されていた。その後、91年に発売されたLD版には、やはり「二度と手に入らない」という煽りをつけて収録されたものの、95年に発売された全話収録LDボックスは、その発売日当日に「音声不良」を理由に回収・発売中止に。この事件を契機に「狂鬼人間」は封印作品として広く知られるようになった。

「封印作品とはいえ、比較的視聴は容易です。ファンの間では長らくコピーのやり取りが行われています。近年では、動画投稿サイトにアップされることも当たり前にあります。現代では許されない表現でしょうが、時代背景を踏まえた上で“おことわり”を入れるなどして収録することは可能だと思うのですが……」(特撮ファン)

 封印作品とはいえ、既に興味を持つ人は当たり前に視聴したことがあるのが現状。「なかったことにする」ことに意味はないと思うのだが。
(文=ピーラー・ホラ)

最終更新:2018/11/01 23:00
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