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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 『進撃』ハリウッド進出に期待と不安

『進撃の巨人』ハリウッドへ進出で寄せられる期待と不安「ポリコレ枠が気になるけど、今度の実写化は大丈夫だ!」

『TVアニメ「進撃の巨人」Season 3』公式サイトより

 大ヒット作品『進撃の巨人』が、ついにハリウッドで実写映画化されることが決定。原作漫画の担当編集者が、作者である諫山創氏の言葉として「進撃にとって、今考えられる最高の人選なんじゃないか」と、発表されている監督についてコメントするなど、期待値は高い。だが、一方で「ハリウッド映画まんまな内容になるのではないか」という不安の声も上がっている……。

 すでにテレビアニメも第3期(NHK総合)に入った『進撃の巨人』。連載もいよいよクライマックスに入っている感があり、注目度はますます高い。だが、ヒットしている原作やテレビアニメとは異なり、実写版は、悲惨な憂き目をみてきた。

 2015年に三浦春馬主演で製作された実写版は、主要キャラの全員が出ない一方で、オリジナルキャラクターが登場したりと、豪華なキャスト陣にもかかわらずファンを唖然とさせる作品であった。加えて、映画批評サイト「超映画批評」の批評に対して、樋口真嗣監督がSNSで「というか、誰だよ、こいつに試写状を送ったバカは!」と書いたことが判明し、より悪評が広まってしまった。ゆえに『進撃の巨人』のヒットの歴史の中で、実写版だけは“なかったこと”になってきた。

 対して、今回のハリウッドでの実写化。監督には『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のアンディ・ムスキエティ。プロデューサーを『ハリー・ポッター』シリーズや『ゼロ・グラビティ』のデヴィッド・ハイマンが務め、そのハイマン率いるヘイデイ・フィルムズが制作を担当、製作・配給はワーナーブラザースになることが公表されている。世界的なヒット作を手掛けてきた制作陣だけに、前回の実写版のような最悪の事態にはならないはず……むしろ、誰もが納得できる娯楽作になることへの期待値は高いのである。

 だが、一方で懸念の声もないわけではない。それは、キャストがどうなるかという点だ。

「ポリティカル・コレクトネス(政治的な公平性)が気にされるハリウッドの作品では、主要メンバーの中に女性や黒人、アジア人を含めなくてはいけないという無言の圧力があります。『進撃の巨人』自体、女性キャラは多いから、問題はないでしょう。問題は人種。ミカサは東洋人の設定ですが、ほかのメンバーは明らかにヨーロッパ系人種。バランスを取るために、何人かは黒人の配役になるんじゃないでしょうか」(映画製作会社社員)

 世界を市場とするために、究極的には英語の台詞が理解できなくてもわかるレベルまで、わかりやすくする。万人受けしそうな配役にするのがハリウッド映画のテイスト。さじ加減を間違えると、原作者が別次元のものとしてコメントを出すに至った『ドラゴンボール』(DRAGONBALL EVOLUTION)のような作品になってしまうことも。

 ひとまず、観客が限られた時間の中で期待しているのは、巨人が襲いかかってきて、立体起動装置でビュンビュン飛び回るような爽快なシーン。要は、テレビアニメ第1期の前期オープニングみたいなのが、ずっと続いていればひとまずは満足。今度こそ、実写で失望させないでほしいものだ。
(文=ピーラー・ホラ)

最終更新:2018/11/01 22:30
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