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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『リーガルV』粗が目立つも高視聴率

『リーガルV』脚本&演出に粗が目立つも“ヒットドラマ請負人”米倉涼子のブランド力で高視聴率キープ中!

 そして迎えた裁判。検察側の証人として蟹江が姿を現したことに唖然とし、裏切られたことに腹を立てる洋平ですが、その一方で傍聴席には小鳥遊の仕込みで光代と若い女教師の姿が。実は蟹江は別の女教師とも不倫をしていたことが発覚し、それを知った光代たちが傍聴席から蟹江を非難。これによって蟹江が非を認め、洋平のアリバイが証明されるのでした。

 さらにネット投稿者の男も出廷し、自身の犯行を洋平に押しつけるため加工写真をネット上にばらまいたことを白状。これによって洋平の無罪が確定したところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、今回意味がわからなかったのは、なぜ洋平が大鷹に対して非協力的で態度が悪かったのかという点です。完全に罠にはめられたわけですから、普通に考えれば必死になって無罪を主張するはずなのですが、「クロをシロにしろ」といわんばかりの横柄な態度に違和感を抱いてしまいました。

 真犯人の動機もまったくわからずで、法廷ものとしては相変わらず脚本が雑だな、というのが率直な感想です。傍聴席から光代と女教師が蟹江をなじる場面も有り得ない。夫の不倫相手と妻を同席させてしまう点にも、脚本と演出の杜撰さを感じさせられてしまいました。

 それと前回のレビューで、堺雅人主演ドラマ『リーガルハイ』(フジテレビ系)の2番煎じだと指摘しましたが、今回は同ドラマにおいて「昔、○○をしておりました」と、毎回のように意外な過去を明かし、要所要所で主人公をサポートする事務員・服部(里見浩太朗)のキャラを意識したように、京極雅彦(高橋英樹)が「こう見えて私、フォトマスター検定1級の資格を取得しておりましてね」と語り、ネット投稿者が写真を加工したことを暴くシーンがありました。

 脚本&演出に粗が目立ち、ヒットドラマからの模倣疑惑がありながらもコンスタントに高視聴率を記録できてしまうのは、米倉涼子が『ドクターX~外科医・大門未知子~』によって、“ヒットドラマ請負人”のイメージを確立したからでしょう。ハイブランドが多少奇妙なデザインの洋服をリリースしても、固定ファンはなんとなくそれが良い物に思えてしまう。そんな錯覚に似た効果によって、このドラマも安定して数字を稼いでいるのではないでしょうか。

(文=大羽鴨乃)

最終更新:2018/10/26 19:30
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