「ODAをありがとう!」安倍首相訪中で広がる“異様な”親日ムード……その裏にはやっぱり下心?
#中国 #安倍晋三 #習近平
10月25日、安倍晋三首相が日本の首相として約7年ぶりとなる中国公式訪問を行った。中国側は、李克強首相主催による非公式晩餐会に李首相夫妻主催の昼食会、習近平主席夫妻主催の夕食会を用意し、元首級の扱いで迎えている。近年冷え込んでいた両国関係に、にわかに融和ムードが広がっている。
中国メディアも異例の日本賛美ぶりだ。上海市在住の日本人男性(45歳)は、こう話す。
「安倍訪中に合わせ、これまで約40年続いた対中ODA(政府開発援助)の終了が中国でも報じられ、北京や上海の空港、複数の都市の地下鉄や上下水道などの建設に日本からのODAが入っていることも伝えられました。これまで中国のメディアでは、日本からODAを受けている事実すら報道されなかったのに、中国国営放送のニュース番組をはじめ、複数メディアが『今の中国の発展には、日本のODAが大きく貢献した』とたたえたのには驚いた。若い世代の中には、日本が40年にわたって対中支援を行っていたことについて今回、初めて知ったという者も多いらしく、SNSには一時『日本ありがとう』という書き込みがあふれました。2012年の反日暴動以前から中国に住んでいる者としては、気持ち悪いくらいの親日ぶりです」
ただ、この親日ムードには“裏”もありそうだ。中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏は指摘する。
「米中貿易戦争の長期化は避けられない情勢。さらに、近年はマレーシアやパキスタン、スリランカ、モルディブなどで相次いで親中政権が倒れ、一帯一路の雲行きも怪しくなってきている。こうした中、中国は国際社会で孤立化の危惧を募らせている。そうした懸念が、これまで目の敵にしてきた日本との関係見直しという動きに表れているように見える。2020年の次期大統領選でトランプが敗北し、米中関係が改善すれば、また対日強硬姿勢を強めてくる可能性もあるでしょう」
ともかく、日中の腐れ縁は今後も続きそうだ……。
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