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日刊サイゾー トップ  > 300万円欲しいヒモ男の実録ルポ
「ヒモ男、働く。」第1話

300万円欲しいヒモ男、よくわからない「最強スターターキット」が当選したので“本部”を訪ねてみた

 部屋番号が開示されないのであれば、そもそも住所を記載する意味はない。「部屋番号は教えられませんね」なんて言おうものなら、レンタルビデオの会員カードだって作れないのだ。念押しの意味で、もうひとつ質問をした。

「書面の郵送で連絡をとりたい場合、どちらに送ればいいのか」

「記載住所で届きますのでご安心ください!」

 という安心できるお返事をいただいたので、書面のようなものを持って、記載住所に直接お伺いすることにした。

 身長180近い元自衛官の知人と一緒に、アパートを訪問。

 築年数から想像できたとおり、古びた印象の建物だった。随所にむき出しになった配管が、少し不気味だった。その日は小雨が降っていたので、共用の廊下部分の天井が雨漏りしていた。

「記載住所で届く」らしく、部屋番号は開示しなくても大丈夫。とのことだったので、見れば郵便局の人も「本部」とわかるような何かが置かれているのだと思っていた。ところが、表札がない。それどころか、表札がついている部屋がひとつもない。ということは、すべての部屋を所有しているのかもしれない。あり得ないと思いつつ、幾つかの部屋のチャイムを押してみたが、予想通り返事はなかった。

 結局、どれだけ信用が置けそうな要素があったとしても、「月300万稼げちゃう!」ネットビジネスなど存在しないのかもしれない。儚い夢だった。

 そもそも、それだけ稼げる仕事があったとしたら、時給1,000円のアルバイトを100時間くらい雇って、1人当たり290万円の利益を得るだろう。楽して大儲け、なんて出来ないのかもしれない。

 すっかり意気消沈した私のLINEに、古い知り合いから連絡がきた。

「めっちゃ美味しい話があるんだけど、話だけでも聞いてみないか?」

(文=窪田ショウ/第2話へつづく)

●窪田ショウ
勤労意欲は、タバコと一緒に燃やしてしまった現役のヒモ。楽をしようとすればするほど、妙に大変なことに巻き込まれるのはなぜだろう。

最終更新:2018/12/18 16:05
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