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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『黄昏流星群』時間の流れは残酷?

時間の流れは残酷なことばかりではない――佐々木蔵之介主演『黄昏流星群』第2話

フジテレビ系『黄昏流星群』番組公式サイトより

(前回までのレビューはこちらから)

 時の流れというのは、残酷だとよく言われる。確かに真理ではあるだろう。

 若い頃ならまだしも、ある程度年齢を重ねれば、心身ともに老いていくばかりだ。しかし、悪いことばかりではない。なぜなら、その対価として「経験」というものを得ることができるからだ。その経験はやがて思い出となり、ある種、年を重ねなければわからないような感情を呼び起こしてくれることがある。

 ドラマ『黄昏流星群』(フジテレビ系)第2話。今回は、そんな感慨のようなものを感じるシーンが多く見られた。

 出向先の荻野倉庫で目黒栞(黒木瞳)と再会した瀧沢完治(佐々木蔵之介)。プレゼントに買った傘を贈りたいからと言って、栞の連絡先を聞き出すことに成功する。関係が続けられそうになったことに喜んでいた頃、完治の妻・真璃子(中山美穂)は、家を訪ねてきた、娘・美咲(石川恋)の婚約者・日野春輝(ジャニーズWEST・藤井流星)といた。思っていた以上にイケメンで気さくな春輝に、なにかトキメキのようなものを感じていたのだ。

 銀行では、完治が出向にあたって、顧客の挨拶回りに追われる。後任者が早くも幅を利かせる中、完治は居場所のなさを感じ、荷物の整理を手伝うと言う秘書の篠田(本仮屋ユイカ)にもそっけない態度だ。

 そんな時、栞から「直接会って傘のお礼を言いたい」という電話がかかってくる。嬉しそうに話す完治を見て、篠田は嫉妬心を感じる。このヤキモチを焼く演技が実に可愛らしい。本仮屋の清楚なキャラクターが、そのいじらしい気持ちをより引き立てている。

 一方、真璃子は、大学の同級生で翻訳家の水原聡美(八木亜希子)から、大学の先輩でありパティシエをしている須藤(岡田浩暉)のパーティーに誘われる。このあたりのキャスティングが実に面白い。

 原作の連載が始まった1990年代、八木はフジテレビの看板アナウンサーであったし、岡田はバンド「To Be Continued」のボーカルとして活躍していた。そこに、既に人気アイドルであった中山美穂が絡むのである。それぞれが活躍していた時代を知っている者としては、なかなか感慨深いキャスティングだ。「商社から脱サラし、パティシエとして成功する」という須藤の設定も、音楽から役者へとシフトし、成功している岡田の人生と重なって見える。

 これこそ、ある程度の年齢以上の人が「経験」を経た上で感じることができる楽しみと言えるだろう。

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