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“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士、アニメ『若おかみは小学生！』を見て本気で怒る「おっこが可哀想だろう！」

2018/10/19 23:00

#インタビュー #瓜田純士

――コミカルなシーンはいかがでしたか？

麗子　くっさいギャグをやりすぎ。「どっひゃー」とか「ぎょえー」みたいなノリがキツかった。

純士　まあでも、ああいう“間”を好む層もいるんだよ。ネットスラングでいえば「草」だとか「バズった」なんて言葉は、俺らには全然ピンとこないじゃん？　タレントのDAIGOのアルファベットの略語も、俺らからすれば「またなんか言ってるよ」程度のもんだけど、一定数の奴らはあれを面白いと感じて笑い転げる。そういう俺らには理解できない“間”もこの作品には多くあって、なおさら置いてかれた感はあるね。

麗子　『銀魂』もそうやったな。落ち着いて見たいんやけど、ギャグがいちいち耳障りで作品に集中できへんかった。

純士　あとは対象年齢の話になってくるかな。子どもたちに「悲しいことがあってもそれを乗り越えることが大事」だと理解してもらうために、対象年齢をうんと下げて書いてるなら、俺らみたいな年齢層が見ても当然、ピンとこないでしょう。俺が子どもの頃に見たら「よかった！」と思ったのかもしれないけど。

麗子　子どもが見ても楽しまれへんで、これ。旅館がなんや神社がなんや言われても、内容的にはおもんないで。

純士　あと、クライマックスも、スケールが小さいと感じました。もっとドンドコドンドコ煽ってほしかった。演出がパンチ不足。小規模なんですよ。

麗子　そやな。もう一山、作ってほしかったわ。

――と言いつつ奥様は、ラスト付近で泣いていたじゃないですか。

麗子　泣いたんやけど、この作品は大嫌いです。

純士　おひよは、内容をちゃんと把握した上で泣くタイプじゃないんです。直前まで寝てても、悲しげな音楽が流れてきたり、周りが泣いてたら、それに感化されて泣くタイプなんです。それがラスト5分で来ただけ。あとはほぼ見てないんですよ。

麗子　見てたわ！

純士　いや、ほぼ見てないだろ。だから、何にどう感動したのかまでは具体的に説明できない。“泣かせ”が来たらすべてに感動しちゃうだけ。

麗子　泣きのおひよです（笑）。

――音楽はいかがでしたでしょう？

純士　占い師の女がポルシェを走らせてるときに、謎のアニソンがかかったじゃないですか。あれを聴いて、殺意が芽生えましたよ（笑）。

――えっ？　そうですか？　あの曲、キャッチーでとてもいいし、オープンカーの開放感とのマッチングも最高だと思ったのですが。

純士　てことは、お前も作者側の人間なんだな。髪をかき上げて、サングラスをかけて、ストローを使わずにお酒を飲んで、オープンカーに乗って外へ連れ出してくれて、高級な服やらなんやらを買い与えてくれる。そういうお姉さんがいたら格好いいだろうな……という作者の価値観、作者のオタク脳を、俺は許せない。実際あんなことをできるのは、歌舞伎町の風俗嬢ぐらいのもんですよ。それを勝手に美化しやがって。気持ち悪い。

――そこまで言わなくても……。この映画を採点するなら？

麗子　0点。サイゾーの連載で見た中ではワーストやね。

純士　『銀魂』の次に嫌い。時間を返せって感じです。