「水着の食い込みは痛いんです」……吉岡里帆から雛形あきこ、井川遥、MEGUMIらが語るグラビア撮影の本音と建前
『吉岡里帆写真集 so long』(集英社)
「水着グラビアは本当はやりたくなかった」
今年始め、今ドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」などで活躍中の吉岡里帆が、そう発言したとの情報がネットで拡散された。批判的な反応の多くは、「水着グラビアがきっかけで世に出れたのに、ファンに失礼だ」といったものだったが、この発言を聞いていい気持ちに思わない男性心理としては、「楽しくグラビアを見ているのに、余計なことを言わないでほしい」といったところだったかもしれない。
この発言に対する反響の大きさには、吉岡里帆も慌てたようで、「文春オンライン」のインタビューで、次のように釈明している。
吉岡 グラビアの話、なんかどんどん違う方に話が拡散してて、すごく困ってるんです。全然言いたいことと世間で書かれてることが違っていて。初めは戸惑いもあったけれど、グラビアの仕事ができて、今思うとすごく感謝してて、この仕事をしてる人たちにリスペクトがあるという話をしたのに、「嫌だった」ということばっかりバーッと書かれてしまって。こうやって知らない間に違う情報が流れてくんだと、ほんとにショックでした。初めてグラビアのお仕事を頂いた時は、その瞬間は確かにやったことないし、やる予定もなかったので、動揺したんですけど、でもやっぱりやればやるほど、やりがいを感じているんです。担当してくださった編集部の人も、今でもずっとつながりがあって。昨年も一緒に仕事をして、一番の応援者でいてくださっている人たちです。
それでは、元の発言はどのようなものだったのか? 発端は「She is」というサイトで、シンガーソングライターの吉澤嘉代子を相手になされたものだった。その発言を見てみよう。
吉岡:あの時間もある種、文字通り切り売りの時間だったんです。だって私は水着姿なんて絶対出したくなかったし、両親からも、「本当に結婚するような人にしか見せちゃだめ」という教育を受けてきたから。それを、全国区の、ワンコインで買える週刊誌で披露して、1週間後には廃棄処分されて。こんなに脱いでも、翌週には別の女の子のことを見るんだろうなと思うと、自分のその「旬すぎる時間」みたいなものがすごく辛かったです。
吉澤:そうですよね……。
吉岡:でもこれを言うと、ファンでいてくれる方たちはすごく怒るんですよね。「応援している人をバカにしてる」という手紙をいただいたこともあります。でも決してバカにしているわけじゃなくて、やりたくないというのは私の偽れない本当の気持ちで、でも、そう思いながらも脱ぐことに意味があると思っていました。嫌なんだけど、自分の夢をつかむために、それをやってほしいと求めてくれる人がいる以上、その人たちに応えるのが私の生き方だということに抗えなかったんです。
私が本当に自分の好きなことだけをする人間だったらーーつまり、人に染まるんじゃなくて自分の色に染めたいような人間だったら、グラビアはやっていなかった。でも、誰かに染められたい以上は、これもやらなければと思ったんです。だから、自分で選んだという自信はあります。同時に、「私は最初にこういうハンデを抱えるんだ」というのもお芝居をしていくうえでの覚悟に繋がりましたし。
吉澤:ハンデと言うと?
吉岡:人は、脱いだ人を「脱いでる人が芝居している」って見るんですよ。脱がない人のことは、はじめから「この人は芝居する人なんだ」という目で見ます。その壁ってすっごく厚くて高くて、自分で自分の首を絞めるみたいな行為をしてしまったと思うこともあります。でも、時間が経って、それがよかったと言ってくれる人がいるのは、やっぱりすごく嬉しい。今となっては、グラビアは本当にやってよかったです。
吉澤:すごく素敵な話。
いかがだろうか? 「文春オンライン」のインタビューでは、「グラビアの仕事をしてる人たちに感謝をしていて、リスペクトがあるという話をした」と言っているように、確かに最後には、「今となっては、グラビアをやってよかったです」と言っているのだが、そこに至るまでのグラビアが嫌だったという話をしているその語調が強すぎて、よっぽど嫌だったのだろう、という印象ばかり読む人に残してしまうのも致し方なく思える。そして、グラビアの話はこれで終わらず、グラビアにおける水着がいかに不自然で、つけていると痛みを伴うかということに及んでいく。
吉岡:グラビア撮影用の水着って、本当に冗談じゃないくらい痛いんですよ……! スタイリストさんが素敵だって思った布でつくっていて、ゴムとかが入っていないんです。
吉澤:そうなんだ、完全にフィクションなんだね。
吉岡:市販の水着はちゃんと伸びるし守ってくれるけど、私が着ていたグラビア用の水着は、人に見てもらうための水着だったから、ゴムが入っていないどころか、革紐や伸びない布でできることもあって。皮膚に食い込むくらいぐっと縛るから、次の日も跡が残っているんですよ。食い込ませることでお肉がちょっと盛り上がって、それが色気になるという。
――たんに「服を脱いだ」のではなく、文字通り、身体や人生をかけた物語をつくりあげて提示しているわけですね。
吉岡:だから、週刊誌を見るときに本当に考えてほしいのは、写真に写っている子たちは、一世一代の賭けをしているということ。消耗品になることを前提に脱いでいることも含め、いろんなことを思いながら、そこで笑顔でいるんだよっていうのをわかってほしいなと思います。
確かに、実際に海やプールに行ってみるとわかるが、通常の女の子の水着姿は水着グラビアほどには刺激的ではない。いかに扇情的に見せるか、ということが緻密に計算されつくした、カメラマンとスタイリストの腕の賜物である水着グラビアは、ある意味壮大なファンタジーであるとも言える。
この「グラビアで着る水着が痛い」というのは本当のようで、しかもそれほど巨乳ではない吉岡里帆が言っているくらいだから、大きな胸を小さな布で吊り上げる巨乳グラドルは相当痛いのだろう。最近出た「プレイボーイ グラビアスペシャル2018」でも、一昔前のグラドル、相澤仁美、手島優、(大原かおり改め)大原がおりの3人が座談会でこんな話をしている。
大原 グラビア撮影のときってさ、胸が重力で下にいこうとするのを水着で強引に支えるから、ビキニの紐が首や肩にクイ込んで痛くない?
手島 あれ、1週間くらい痕が消えないですよね。
相澤 それは消えなすぎ!
やはり、グラビアの撮影というのは、なかなか身体を張った大変な仕事であるのは確かなようだ。
水着になるのはグラビアのときだけ
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