『家、ついて行ってイイですか?』自殺した父を責めた過去を悔やむ息子……遺言は「包茎手術しろよ」?
#テレビ東京
■最後まで息子の包茎を気にかけていた父
彼は今、後悔の念に駆られている。
「今になって、(自分が)『なんで?』みたいな。『何言ってんの?』みたいな。キツイっていうか……」
そして、父親の不在を悲しむ。
「本当に困った時、『出てこいよ』と思った時はありますよ。本当に迷った時。『教えて』『助けて』みたいな」
男子が人生で迷う瞬間は数多い。彼に立ちはだかった関門は切実だった。
「カントン包茎なんですけど。お父さんが基本、『ちんこむいて洗いなさい』って言うんですけど。みんな、やってるんですよ。幼稚園、小学校の低学年から。(自分は)やってなくて、ずっと。初めてやったら真っ白で。チンカスですよ。(自分の頭を性器に見立て、頭からあごを上下にさすりながら)真っ白なんですよ、ここの、この辺とかも」
「むいてもめっちゃ痛くて、うっ血したんですよ。大学2年生くらいの時にちんこを使ってみて、使えねえなってなって」
「(自分の頭を性器に見立て、あごから首を手のひらで覆い)むくと、ここでめっちゃ首絞まるみたいな」
父が自殺する前日について、彼は再び振り返った。
「遺言的なのはありましたよ。前日の夕方くらいに僕の部屋に来て、2つ言われて。『今日からもう会えないかもしれないけど、いつまでも応援してるよ』『頑張ってな』みたいな。『お母さんと2人になっちゃうかもしれないけど大事にしなさい、言うこと聞きなさいよ』」
「もうひとつあって。これ本当なんですけど、なんか、『包茎手術しろよ』って言われて。確かに、それで苦労してるんですけど。その時(初体験の時)、それがよぎったんですけど」
笑いを伴うエピソードだから、余計リアルに響いてくる。男同士でしか共有できない悩みがあり、“人生の先輩”として頼れる存在になる。そんな時こそ、父の存在は息子に染みる。でも、迷った時に声を上げた「教えて」「助けて」という叫びは、今は父へ届かない。
よどみのない、リアルな現場からの声だった。逆に、「父子は良好な関係性を築くべき」だと生々しく教えてくれた。
(文=寺西ジャジューカ)
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