ベッキー起用も納得! 視聴者参加型生放送番組『特定せよ!』が怖すぎる……
#ベッキー #フジテレビ
ほかには、こんな問題もあった。「何月何日に撮られた写真か特定せよ!」。次に特定するのは、人物ではなく日時である。
写真に写るのは3人。中央に舞妓さん、そして舞妓さんを挟むように男女が両端に立っている。向かって右側にいる女性は、京都にある天台宗の寺院「三千院」の御朱印を持っていた。
「三千院 御朱印」で検索すると、数多い種類の御朱印がヒットする。写真に写るのは金色の御朱印である。調べると、金色の御朱印は「毎月28日」と「金色不動明王立像の御開帳期間」にしかもらえないらしい。「御開帳期間」は4月中旬~5月中旬、10月末~11月末とされている。
続いて注目したいのは、舞妓さんの姿。まずは「舞妓 着物 季節」で検索するも、日付については特定できなかった。しかし、この検索で「花をあしらったかんざしは月によって花の種類が決まる」という情報に行き着いた。写真を見ると、舞妓さんが付けているかんざしは桔梗の花。桔梗の花のかんざしは、舞妓さんが9月に付ける物。よって、写真が撮られたのは9月28日!
写真に写るわずかな情報から、人物だけでなく日時まで特定できた。SNSに画像をアップする際は、慎重を期する必要があるな……。
■あえてベッキーを起用する大人のセンス
この番組のコンセプトは「写真からの特定」。現代の核心を冷酷に突いているのだ。見落としがちなSNSの恐ろしさを白日の下にさらした格好。SNSやブログを活用していると、知らず知らずに素性を漏らしているかもしれない。「石橋を叩いても渡らない」つもりでいたのに気づかないうちに渡っていて、しかも橋の上で転ぶハメになりかねない。そんな、ネット時代ならではの事故の可能性を提示している。しかも、特定の魔の手はどこからやって来るかわからない。「全人類がリサーチャー!」という文言は言い得て妙である。
あと、「要潤は投げる時だけ左利き」「花をあしらった舞妓のかんざしは月替わり」など、マニアックな雑学を紹介しているのも憎い。ひそかに情報番組のテイもなしているのだ。
最もエスプリが効いているのは、MCをベッキーが務めているということ。「ゲスの極み乙女。」川谷絵音とのLINEのやりとりを週刊誌にさらされた経験を持つ彼女。この意味深な起用は、決して偶然ではないはずだ。特定された経験を持つ彼女が仕切るなんて、説得力がありすぎる。
コンセプトもキャスティングも、大人のユーモアが発揮されている。ちょいブラックなセンスが心に掻き傷を残す番組である。
(文=寺西ジャジューカ)
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