村田らむ×丸山ゴンザレス──「死体見たい」でいい! 樹海、ニューヨーク取材で見えた人間の本性とは?
#本 #インタビュー
──そういう点では、ゴンザレスさんはテレビをうまく活用されていますよね。『クレイジージャーニー』(TBS)への出演によって、ファンの幅が広がったのではないでしょうか?
丸山 実際、今回出版した『GONZALES IN NEW YORK』も、『クレイジージャーニー』がきっかけだったんですよ。編集さんがテレビで放送していたニューヨーク編をたまたま見ていて、「これだけで本になる!」と連絡をくれたんです。ニューヨークへは足掛け5年ほど通っていたので、それなりにネタもあったし、写真も撮り溜めていました。「じゃあ、やってみよう」となったんです。いざ、本にすることが決まって、普通にノンフィクションを書いても面白くないので、あえて映像に慣れているたちも読みやすいものを作ろうってなって。コンセプトは “読むクレイジージャーニー”です!(笑) そういう感じだったので、テレビ番組を意識したのも間違いないですね。
──今回、樹海とニューヨークをそれぞれテーマにされていらっしゃいましたが、ほかに“ダークツーリズム”的に楽しめる、オススメの場所などはありますでしょうか?
村田 韓国スラムかな。釜山のスラムには、日本人の墓石でできている階段とかびっくりするものがたくさんありました。九龍村の動画をYouTubeにアップしたら再生回数がめちゃくちゃ伸びましたし、興味のある人は多いのかなあと思いますね。あと、中国南部の犬肉祭りも面白かったですよ。ルポ記事を出したらネットでめちゃくちゃ叩かれましたけど(笑)。
丸山 確かに、そういうイベントのある時期に合わせていくのはいいかもしれないですね。あとは、海外なら、日本人観光客が行かない場所に行ってみればいいと思います。見極めるポイントは、汚い駅(笑)。地下鉄とか鉄道が綺麗に整備されて“いない”場所、つまりローカル感が強いところがオススメです。台湾の高雄も、掩体壕(戦闘機の防空壕として太平洋戦争末期につくられた格納施設)を探すために、都心部からは反対の場所に行ったんですが、ローカルな景色が広がっていて、面白かったですよ。単純に、まだ新しくなり切っていない風景で、特徴的なのはオレンジっぽい電灯が続く路地ですね。そういう場所を見ているだけでも、まったくの異空間に来た感覚を味わえるんじゃないかな。
村田 韓国も台湾も、本当に古い建物が残ってますからね。一歩踏み込んでみるだけでいいんですよ。だって、今さらエッフェル塔見たって、感動ないでしょう? 実物を見てないにしても、「ああ、見た事あるわー」ってなっちゃう。どこか、宝探し的な要素というか、偶然性があったほうが楽しいですから、そういうのを探しに行ってみて欲しいですね。そういう意味で、樹海は宝探し的要素が強い場所かな。最初に死体を見つけた時は、やっぱり興奮しましたから。
丸山 これはオススメしないですけど、僕の場合だと、「無事に戻ってこれた!」というのがものすごい喜びになりますね。ニューヨークでプッチャー(麻薬の売人)の家に行けた瞬間とかすごく興奮してるんだけど、「取材できる! やった!」っていう感情だけでは済まない、リスクのある場所ですからね。
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