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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 古民家で楽しむ『偽りのオムライス』
ホントにうまいのか? 珍級グルメハンター第96回

のんびりした街ののんびりした店で楽しむ『地獄のジンジャエール』と『偽りのオムライス』

裏原や裏しぶでもなく、ここは谷根千。

■チラ見えしているのは、黒い何か……

 小春日和の秋の某日、外国人にも人気の“谷根千”に、珍級なオムライスがあると聞いて向かうことにした。

 JR日暮里駅から谷中墓地の中の路地を歩いていると、向こうから観光客らしき白人カップルが歩いてくるのが見えた。

 近づくほどに、金髪の女のコが着ていたTシャツの胸元が、ありえないくらい大きく開いているのがわかった。下着までチラ見えしてしまっているのだが、ひょっとしてこれは、新しいファッションなのだろうか?

 日本人にはできない大胆な着こなしに、墓の中のジイさんたちも、さぞやびっくりニヤニヤしているのではなかろうか(笑)。そうほくそ笑みつつ、墓を抜けて路地を抜け、やって来たのは古民家風のカフェだった。

 店の前には黒板風の小さな看板がある。のぞき込むと、そこにある人気メニューのトップには、「No.1オムライス(黒)850円」と書かれているのだった。

 そう、今日はこれを食べに来たのだ。

 黒いオムライスとは、いったいどんな見た目なのか? 卵に竹墨かイカ墨でも入れたのだろうか? それとも海苔で覆った? 興味は尽きない。

 通りに面した席には、夫婦らしき2人と、ロマンスグレーのおじさまが、日向ぼっこしながらお茶を楽しんでいる。筆者が座ったのは、おじさまの後ろの席だった。

 メニューを見るまでもなく、とっくに注文するものは決まっている。しかし、うやうやしくメニューを覗き込み、そして、ショートヘアのかわいいスタッフさんにお願いしたのは、もちろんオムライスの(黒)。それと、ジンジャエールの辛口だった。

 まもなくやって来たジンジャエールをひと口飲んで驚いた! 舌が痺れるほど辛いのだ。さらに、炭酸の泡がそこに突き刺さる!

 もし、子どもが飲もうものなら泣き叫び、谷中の静かな店内は地獄絵図と化すに違いないくらい刺激的なのだ。このジンジャエールは、R指定すべきだろう、ハァハァ……。

 ジンジャエールの辛味に舌が慣れ、刺激が風味に変わって来たころ、とうとう「オムライス(黒)」がやって来た、はずだった……。

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