テーマが重すぎた!? ジャンプ史上最も泣ける、打ち切りマンガ『飛ぶ教室』
#マンガ #コミック #ザオリク的マンガ読み
■ラブシーンに癒やされる
とにかく登場キャラクターがこぞってメソメソしがちなマンガなのですが、唯一の癒やしともいえるほのぼのシーンが、オサムとみっちゃんのラブシーン。ラブシーンといっても小学生同士ですから、2人でベタベタしているくらいのものなのですが。
オサムは主人公のクセしてたいして役に立たないのに、ガールフレンドとはしっかりラブラブしているというのが、わりとイラッとするのですが、ひらまつ先生のかわいらしい画のせいで、そのへんも含めてほほえましい感じになっています。
■救いがないラストシーン
作品のラストでは、死の灰に侵された北川先生が、ついに亡くなってしまいます。精神的支柱を失った子どもたちがこの先どうなってしまうのか、肝心なところがわからないまま、なんとも救いのないラストを迎えます。
それもこれも、作品が打ち切りになってしまったから。確かに「友情・努力・勝利」のジャンプ的な要素がない地味マンガではありましたが、単行本の巻末では
「こんなすばらしいマンガはじめて!」
「わたしの心から消えることはないでしょう!」
「飛ぶ教室はクラスの人気者!」
「恐ろしい戦争なんてやめて!」
みたいな読者からの反響が寄せられており、もう少し続いていても全然不思議はなさそうな感じでした。
■打ち切り理由も悲しい
後にひらまつ先生のオフィシャルサイト上で、実際のところ人気はまずまずあったが、放射能というテーマが当時のジャンプとしては重すぎ、編集部から終了を言い渡されたとのことです。やはり大人の事情だったのですね。継続していれば後世に語り継がれるような名作になっていた可能性があるだけに、なんとももったいない話です。
しかし、先のサイトによれば、オサムたちのその後を描いた『飛ぶ教室 第2部』の制作を進めており、2018年発売を予定している、との記述があります。車田正美先生の『男坂』がそうだったように、『飛ぶ教室』も30年の時を超えてまさかの続編が出るのか!?
ただ、もう18年もけっこうな後半に差しかかっていますが……。奇跡が起こることを願っています。
(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)
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