「メガストア」も25周年……ネットが当たり前の時代にアダルトゲーム雑誌はどうやって生きている?
#雑誌 #ゲーム
コアマガジンの発行するアダルトゲーム雑誌「メガストア」が創刊25周年を記念して、2003年以降の表紙イラスト画集を発行し、話題を集めている。
かつては、毎月何冊、何十冊も発行されていた時代もあるアダルトゲーム雑誌であるが、もはやそんな時代ではない。歴史の長さで並べると、創刊26周年を迎えた「BugBug」(富士美出版)に「メガストア」、そして「TECH GIAN」(KADOKAWA)が並んでいるという構図である。
もはや春秋戦国時代みたいな興亡の歴史は終わり、3つの雑誌が鼎立(ていりつ)しているというのが正しい見方であろう。
結局、この3誌が残った背景には、単なるカタログ誌に終わらない確固たる編集方針があったからであろう。結局、この手の雑誌のベースとなるのはアダルトゲームメーカーとの関係性。資料や素材を提供してもらい、ついでに広告ももらえれば万々歳というところ。その上で「うちの雑誌だけ」という要素を、どこまで入れて読者に買ってもらうかに尽きる。
やっぱり母体となる出版社の資本力ゆえにか、やたら特集が強力なのは「TECH GIAN」。最新号を見ると、DVD-ROM「まるっと収録製品版!!」に加えて『カスタムメイド3D2』の限定シリアルコードまで入っている。
もしも、がっつりとエロゲーユーザーだったら、まあ「TECH GIAN」を買っておけば間違いはなさそう。
では、ほかの雑誌はというと、「メガストア」も、オマケが製品版DVDというのは行っているが、より強力なのは、ほかのオマケ。最新号は下敷きだが、今年のバックナンバーを見ると、テレホンカードやタペストリーなどの読者全員プレゼントを実施している。ベースが18禁マンガに強い出版社ということもあろうが、イラストを描いている絵師のセレクトは完璧である。つまり読者が求めているのは、情報よりも付加価値である。
さて「BugBug」の特徴はといえば、最近はDVDである。内容は各号によって異なるが、さまざまなゲームの美味しいところ=エッチなシーンをプレイせずともDVD観賞できる実用性重視の構成になっている。つまり、アダルトゲームの紹介をメインにした実用系エロ本という趣だ。
もはや、単なる情報であればネットでゲームメーカー各社が発信するものには追いつけない。そんな中、残った「情報誌」はそれぞれに独自の存在意義を見つけている様子。これ、3誌ともまったく読者層はかぶらないと思うのだが、どうだろうか。
(文=大居候)
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