『半分、青い。』アンチ噴出のワケは脚本家・北川悦吏子の“上から目線”「『神』と呼ばれて……」
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賛否両論が白熱したNHK連続テレビ小説『半分、青い。』が9月末で最終回となった。
週間平均視聴率は第3~6週に20%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を割ったとはいえ、以降はすべて20%超と好調。放送中&終了後につぶやかれる「#半分青い反省会」「#半分白目」のアンチ的コメントも含め、大いに盛り上がった作品ではあった。
それにしても、視聴率は良いのに、こんなにも批判が多かった理由はなんなのか? テレビ誌編集者が語る。
「脚本家の北川悦吏子さんが、自らTwitterで『神回』を連発して自画自賛したり、ネタバレをしてしまったりすることが、批判を呼んだ理由のひとつとしてよく挙げられていますよね。加えて、『ヒロインにまったく共感できない』という声が多いことや、伏線なく起こった出来事に対して、『後出し』で理由をつけることなどへの反感もありました」
また、朝ドラ好きの週刊誌記者は次のように指摘する。
「さまざまな批判を受けた一番の要因は、北川さんの『神』ぶりにある気がします。『神』ゆえに、無邪気に上から目線に見える部分が多々あったからではないでしょうか」
「トレンディドラマの女王」「ラブストーリーの神様」と呼ばれる北川。その「無邪気な上から目線」とはどういったものなのか? 前出記者は以下のポイントを挙げる。
1. 人気脚本家ゆえの上から目線
「脚本を描くに当たって、ヒロイン・鈴愛と同じ1971年生まれの人たちにどんな感性を持っているのか教えてほしいなどとTwitterで呼びかけていました。これに対し、喜んで応じるファンもいましたが、プロが他人のアイデアをタダでもらおうとすること、しかも『他者は当然喜んで提供するだろう』と思っていることに対して、あきれやいら立ちを覚えた人は多かったようです。加えて、鈴愛が漫画家になる展開のイージーさにも、怒りの声が続出していました。鈴愛は雑誌連載を4年もできたのだから、立派なこと。にもかかわらず『三流』と言ったり、カット書きなどの小さな仕事をバカにしたりするような描写には、北川さんの『人気脚本家』ならではの驕りを感じる人が多かった気がします」
2. ひらめき・思い付き重視の上から目線
「自分のひらめきや思い付きが何より素晴らしいと信じて疑わないところに、上から目線を感じます。そして、自分の思い付きに夢中になると、経過や繊細な心情描写をすっ飛ばしてしまうために『点』としてのアイデアの羅列になってしまい、物語の整合性が取れなくなったり、自分勝手なキャラクターになったりするのではないでしょうか」
3. 時代的上から目線
「当初、北川さんは自伝的物語を描きたいと思っていたため、61年生まれのヒロインを想定していたようです。でも、実際には一人の女優さんに生まれたときから現代までを演じてもらう年齢の都合など、さまざまな理由から10年ズラして71年生まれとしました。それが結果的に、『バブル世代が、バブル崩壊後の世の中を描く』ことになり、貧乏描写なども当事者でなく、上から目線を感じるものになっている気がします」
4. ポジティブゆえの上から目線
「何より反感や怒りを買っているのは、単純でイージーな思い付きだけで、デリカシーなく、病気や震災を描いたことでしょう。ヒロインに扇風機を作らせるためにユーコを震災で死なせたり、『にわか雨のよう』というポエムのようなフレーズを使いたいためだけに、娘のいじめ問題を唐突に入れたり、『書きたいセリフありきで物語を展開させていく』印象がどうしてもありました。つい『人の痛みを知らない人なんだろう』と思いそうですが、北川さん自身、難聴を患うなど、つらい経験をしていることも事実。しかし、驚異的精神力、ポジティブさで乗り越えてきたからこそ、他者の痛みに鈍感なところがあるのではないかと思います」
かなり手厳しい分析をしてはいるが、同記者はこう付け加える。
「音楽や漫画、流行など、基本的に北川さんの思い付きで取り入れたものがほとんどだと聞きます。単純で、杜撰で、デリカシーがなく見える一方で、次々にアイディアが湧く北川さんのひらめき、膨大なエネルギー量は、やっぱり『神』だとは思いますよ」
物理的に非常に大変なことで知られる朝ドラ。だが、もし、次々に湧く北川悦吏子のアイデアを整理し、整合性を取り、点と点を丁寧に結び付けていく作業を担う助手のような存在がいたら、『半分、青い。』は、もう少し違ったドラマになったかもしれない。
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