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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 吉原のソープ嬢になって失ったもの
現役女子大生ソープ嬢、吉原でおち〇ぽエンターテイナー目指す!

吉原のソープ嬢になって失ったもの

「ごめん、頭が痛くてつらいの」

「こりゃ大変だ、熱がある」

 彼氏と別れた数日後、私はセフレのK君とのデートを楽しんでいたのですが、途中で中止。K君は、私をそのまま病院へ連れていってくれました。

「どうしました?」

 お医者さんは、にっこりと私に話しかけました。

 その時の私は、吉原での日常が楽しくて、吉原の女になったことに誇りを抱いていました。お医者さんにも堂々と「自分はソープ嬢で、おそらく客に風邪をもらってしまったと思う」と話しました。

 すると、お医者さんの態度は豹変!

「そんな仕事をしてるから、生活が不規則になって体調を崩したんだろう。これから先も続けるべきか、一度よく考えなさい!」

 そのまま薬も処方せず、私を病院から追い出しました。

 なんで? 楽しいのに辞める必要なんてあるの? 偏見? 本当にありえない。隣にいたK君は“仕方ないか……”という顔をしていました。

 それから数日後――。

「ごめん、やっぱ無理」

 私を抱こうとしたK君は、ブラのホックに手をかけたところでため息をつきました。

「君を抱きしめても、もう安心できない」

 そう言うと、ラブホテルの床を見つめたまま、考え込んでしまいました。K君はセフレから正式な恋人になろうと思っていたのに、私が吉原の女になったことで複雑な心境になってしまったようです。

 そりゃそうだよね……。ソープ勤めで体調崩して、病院にも付き合わせて……。女性経験が初めてだったK君にはキツすぎたよね。K君と私の関係は、だんだんとギクシャクしていきました。そしてまた、私の元からひとり去っていきました。

 そんな私生活とは裏腹に、私はお店の本指名ランキングに入るようになりました。勝ち取った“ランキング嬢”という肩書の代わりにこじれてしまった多くの人間関係……。接客を終え、ひとり物思いにふけっていると、ふとスタッフとほかの女の子の会話が聞こえてきました。

「今日は送迎大丈夫ですか?」

「大丈夫よ! 客ピが送ってくれるからさ〜」

 その日、私はある高級店を箱借り(自店舗の部屋数が足りないため、別店舗の部屋を借りること)していました。スラッと脚が伸びたスタイルのいい女の子と従業員。そして、同じ部屋の片隅に、いろんな人に見捨てられて、送ってくれる客ピなんていない、格安店の“諭吉2枚で一発ヤれる”冴えない私がぽつんとひとり。

「漫湖さん、送迎大丈夫?」

「駅までの送迎はありがたいですけど、もう終電がありません……」

「じゃあ、あれだな……うち泊まってく?」

 うち? うちって、どこ?

「この店の部屋」

「いいんですか?」

「いいよ、こっちおいで」

 私は従業員の後に続いて、プレイルームの中へと入っていきました。今日は、この男と寝ることになるのかな。系列の別店舗とはいえ、従業員と……いいの? まあいっか、きっとこの人が、今夜だけは私の穴を埋めてくれる。許してください、神様……。 やっぱり、ソープ嬢は、まともな恋愛しちゃいけないのかな? そんなことを考えながら、翌日も私は泡にまみれてカタルシスを感じるしかないのです。

最終更新:2018/10/02 21:00
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