町田ゼルビア、小規模すぎてJ1昇格できず……Jリーグの“お役所感”にモノ申す!
#サッカー #Jリーグ
わかっていたこととはいえ、選手たちからすると、やるせない気持ちでいっぱいだろう。
現在、J2リーグでJ1自動昇格圏内である2位につけるFC町田ゼルビアが、たとえこのまま2位でシーズンを終えても、J1リーグには昇格できないことが発表された。理由は、町田のトレーニング施設がJ1基準でないことと、ホームスタジアムである町田市立陸上競技場の収容人数がJ1基準の1万5,000人に及ばない1万328人であるため。いわゆるJ1ライセンスを取得できなかったからだ。
このクラブライセンスは、独立した第三者機関「クラブライセンス交付第一審機関」がアジアサッカー連盟(AFC)のライセンスに準拠しながら交付判定を行っている。だが、この基準に、サッカー関係者たちは疑問を呈する。
「これはJリーグクラブがAFC管轄のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)に出場するためのライセンスでもあります。ですが、町田を昇格させたとして、ACL圏内の3位に入るとは思いません。さらに町田の目標は、ACL出場ではなく、J1昇格です。ここまで厳しく線を引く必要があるのでしょうか?」
町田の営業収入は約7億円。現在、J2首位を走る松本山雅FCは約20億円であり、その半分にも満たない。さらにいえば、3位の大分トリニータの約10億円、4位の横浜FCの12億円にも及ばず、5位の大宮アルディージャに至っては36億円を誇り、町田はJ2最小規模の年間予算でシーズンを戦っている。
そんなスモールクラブが今後、トレーニング施設の整備はもちろん、町田市を動かしてスタジアム改修にこぎ着けることができるのだろうか?
「8月末、町田市はスタジアムの改修計画を発表しましたが、それによると使用開始予定は2021年2月以降。さらに、町田駅からバスで約25分、そこから15分歩かなければならず、アクセスが悪すぎる。そんな場所を改修したとしても、サンフレッチェ広島のホームスタジアムであるエディオンスタジアムと同じく、僻地のため観客が増えないという負のスパイラルに陥ってしまいます。それよりも、まずは町田をJ1に上げて、町田市に盛り上がりを見せ、2008年に町田市が一度は掲げた町田駅近スタジアム構想を動かすべきです。そのほうが、よっぽどサッカー界の将来のためになる」(同)
町田駅近スタジアム構想は、町田駅から徒歩圏内にコンベンション・センター等を兼ねたスタジアムを建設し、周辺にショッピングセンターやレストランなどを整備するといった、サッカー界からすると理想のスタジアム計画である。
そんな中、IT大手「サイバーエージェント」が町田の経営権取得に動いていることが一部で報じられた。これが実現すれば、同社の豊富な資金力がJ1昇格への大きな原動力になることは間違いない。
今シーズンは残りわずかだが、選手には最後まで頑張ってほしいものだ。
(文=TV Journal編集部)
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