伝説の一大わんこスペクタクル『銀牙』シリーズをひもとく!
#本 #マンガ #ザオリク的マンガ読み
【八犬士編】
銀たちが最強の敵・赤カブトを倒した後、あまりの壮絶な戦いで燃え尽き症候群になってもおかしくない状態にありながら、間髪入れず新しい脅威となる「狼族」が登場。
熊の後に狼って、強さ的に熊のほうが上じゃね? という蛇足感が懸念される中で、「必殺技」「強さのインフレ」というジャンプ的二大要素を投入し、さらに作品を盛り上げることに成功します。
この八犬士編では、銀が赤カブトとの闘いの際に、親犬リキから授けられた「絶・天狼抜刀牙」という、ジャンプしながら体を高速回転させて、敵の首を掻っ切るという世にも恐ろしい必殺技を使いこなすようになるのですが、新たに登場した狼族の八犬士たちも同様に抜刀牙を使いこなします。「撃・閃通臂抜刀牙」「滅・変異抜刀牙」「烈・幻夢抜刀牙」などなど、それホントに犬が考えたの? ってくらいデンジャラスな必殺技の数々。ほかにも中国拳法を使うわんちゃん、パンチで敵の内臓を破壊するわんちゃん、蛇そっくりの動きで襲いかかるわんちゃんなどが出てきます。
さらに、八犬士を倒したと思ったら、すぐにそれより強い「魔界十人衆」が登場し、そいつらを倒したら「今ここに倒した十人衆はただの捨て石…帝国では最低の下級戦士だ!」というセリフと共に、さらなる強いわんちゃんたちが登場するという強さのインフレが発生。これぞ、まさしくジャンプマンガの真骨頂! という目まぐるしい展開になります。
こんな感じで一度ハマると抜け出せない銀牙ワールドですが、このマンガにしかない魅力のひとつに、犬マンガ独特の表現・セリフ回しがあるので、紹介しておきましょう。
「伝説の犬(おとこ)」
「犬(ひと)が悪いぜ」
「命の恩犬」
「犬生(じんせい)」
などなど、銀牙シリーズに出てくる登場人物ならぬ、登場犬物のセリフは、すべて犬社会における会話であることが前提となっています。
また、犬の知能が人間並みなのも、銀牙シリーズでは至極当然。例えば銀の父・リキは熊の弱点について精通しており、こんなセリフも普通に言えます。
「熊の最大の武器は前足の爪にある。前足を封じるには奴の首から尻まで脊つい骨の両面をはしる脊柱起立筋を切断することだ!」
脊柱起立筋て! ……そんじょそこらの獣医より、よっぽど博学ですよね。
さて、続編や外伝などの銀牙シリーズについても簡単に紹介しておきましょう。本当にたくさん出ていて、単行本の表紙は当然ながらすべてわんちゃん。素人にはどれがなんのタイトルなのか見分けが困難なのですが、そこを見分けられるようになるまで精進するのが真の銀牙ファンといえるでしょう。
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