“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士が映画『SUNNY』に、まさかの感涙!? 90年代の不良時代を思い出し……
#インタビュー #瓜田純士
――いったん映画の話から脱線しますが、瓜田さんは90年代、コギャルとの関わりはありましたか?
純士 仲良かったですし、関わりも深かったですよ。当時は不良(ヤクザや半グレ)がすごかった時代で、コギャルは不良の友達であると同時に、資金源でもあったんですよ。
――資金源?
純士 俺は当時、新宿のヤクザでしたけど、俺と関わりのあった渋谷の不良たちは、コギャルのイベサーのカスリを取ったり、ケツモチをやったりしてたんですよ。俺も学生サークルのケツ持ちをいくつかやってました。コギャルはコギャルで「不良の○○くんと仲がいい」ってだけで、イキがれた時代でもあったんです。
――へえ、そうだったんですか。
純士 当時は街で有名になることがステイタスになる時代で、渋谷のセンター街にはコギャルのチームまであったんですよ。となると当然、街のヒエラルキーの頂点にいる俺たち不良は、自分たちで唾を付けておくんだという発想になる。対象はコギャルだけじゃない。ヒップホップしかり、チーマーしかり。流行ってるもんすべてに唾を付ける。で、「この子らにちょっかいを出したら俺たちが出て行くぞ」という縄張りの主張をするわけです。
――不良は街の王者だったんですか。
純士 はい。ただし、当時はDJやサーファーがモテる時代で、一般の若い男たちがこぞって髪の毛を伸ばす中、俺たちヤクザは時代に逆行して理容室でパンチパーマをかけてましたから、寂しさも感じましたけどね(笑)。ちなみに当時、エアマックス狩りってのがあったでしょ? あれ、俺の仲間が流行らせたんですよ。で、そこら中のチーマーとかギャングのガキどもが、それを真似するようになった。俺たちヤクザは、そういうガキどものことを「水際」と呼んでました。
――水際?
純士 本職ではない、水際にいる連中が、エアマックス狩りやオヤジ狩りをしたり、パーティーを開いて大麻を売ったりという小遣い稼ぎを勝手に始めるんですよ。不良の許可なしに。そういうときはあえて泳がせておいて、そいつらが水際で稼いで脂が乗ってきた頃に、俺らが「ちょっと来い」と呼び出すわけです。
――呼び出してどうするんですか?
純士 「おまえらもガキの世界では稼げただろうけど、そろそろ大人の世界で稼いでみないか。準構(成員)にしてやるからよ」とかなんとか言って、日当8,000円でシンナーの売人をやらせたりするわけです(笑)。で、水際の連中が稼いできたアガリを徴収するという。
――どうやって、水際にいる人たちを見つけるんですか?
純士 ヤクザは常に、目立つカタギを狙ってるんですよ。俺もしょっちゅう「いいネタないかな」と思いながら、黒塗りのベンツ560で歌舞伎町を巡回してましたから。新宿、渋谷、池袋など、どこの街でも、いろんな遊びや金稼ぎが流行るじゃないですか。するとそのうち、目立つカタギが必ず出てくるから、「そいつらに目を付けとけ」「そろそろ俺らのとこに挨拶に来させろ」という流れになるんですよ。イキがってるガキんちょどもは波に乗ってるし、もっとイキがろうと思ってるから、たいてい挨拶に来る。認めてもらおうとして。で、そいつらに危険な仕事を低賃金でやらせて、俺らは何もせずに儲けるシステムだったんです。
――弱肉強食の世界ですね。
純士 俺の後輩なんかは、もっとひどいことをしてましたよ。自分らで買ったエアマックスを使って、美人局みたいなことをしてましたから。
――エアマックスで美人局? どういうことですか、それは。
純士 自分のエアマックスを弱そうな奴に履かせて、「街をフラフラして来い」と命じるわけです。そうすると、エアマックス狩りに遭いますよね? そこでコワモテの持ち主が登場して、「俺の可愛いエアマックスをどうするつもりだ?」と因縁をつけて、犯人から何倍ものカネを脅し取るんですよ。
――なんという悪知恵! 今日見た映画の中では、鰤谷さんがドラッグにハマって転落していましたが、実際に、ヤクザの食い物になっているコギャルはいましたか?
純士 自分らじゃ処理できないようなトラブルをヤクザに持ってくるコギャルはいましたし、友達を怖がらせたいときや、嫌いな子を脅したいときにヤクザを利用できるよう、自ら進んでヤリマン的なポジションになるバカな子もいましたよ。で、そういう子が、やがてAVへの橋渡し的存在になったりもしてました。
――映画では描かれなかった、コギャルの世界の裏側ですね。
純士 そういや俺が16歳の頃、3つ上のとある先輩は、しょっちゅうコギャルとラブホにシケ込んでました。彼はよく「俺ぐらい不良としてベテランになると、脱がせたルーズソックスを自分の両手にハメた状態でセックスをする」と自慢してたから笑いました。「それがルーズソックスの正しい使い方だ」ぐらいのことを言ってましたよ(笑)。
――奥様が完全に引いているので、映画の話に戻しましょう。総括として、今作から得た教訓はありますか?
純士 青春時代は多くの若者が怖いもの知らずで、ドラゴンボールで言うところの超サイヤ人みたいな状態になりますが、それは台風みたいなもんで、ほんの一瞬の話です。だから若い子たちには「青春時代はすぐに終わっちゃうから、その間はとことんバカになったほうがいいよ」ってことを言いたいです。劇中でも篠原涼子らが、「昔はスマホなんてなかったから、ファミレスでよくバカ騒ぎをして店員さんに怒られたよね」みたいな思い出話を語ってましたけど、それでいいんです。若いうちは誰に怒られようが言うことなんて聞かず、とことんバカになって、とことんハメを外すべきですね。
麗子 そやな。寝る間も惜しんで楽しむぐらいでええのかもな。後悔のないようにな。
純士 俺は悪いことばかりしてた青春時代だったから、この映画を見ながらメチャクチャ後悔しましたもん。10代だったら何をしても少年院で済んだだろうから、当時ムカついてた奴のタマ(命)を取るぐらいのことをやっときゃよかったな、と。
麗子 そっちかい!
(取材・文=岡林敬太/撮影=おひよ)
『SUNNY強い気持ち・強い愛』瓜田夫婦の採点(100点満点)
純士 70点
麗子 98点
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【緊急告知】
9月22日(土)17時より、60分セミナー「瓜田塾」をSOBIZGATES(新宿)にて開催決定! ヤクザをやめて更生した瓜田純士が、危険から身を守る術や、禁酒・禁煙・禁ギャンブルの成功法などを語り尽くします。参加費は3,000円。当日受付にてお支払いください。なお会場では、瓜田純士Tシャツ(3,900円)の販売も行います。奮ってご参加ください。
セミナー名/瓜田塾
日時/9月22日(土)17時~18時(開場は16時45分)
会場/SOBIZGATES(東京都新宿区新宿5-11-2 SOBLD.2階)
※瓜田純士がYouTube配信スタート!(瓜田純士プロファイリング)
https://www.youtube.com/channel/UCv27YAy0FZ-4wwisy5zPmeg
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※日刊サイゾーでは瓜田純士の最新情報をほぼ月イチペースでお届けしています。
https://www.cyzo.com/cat8/outlaw_charisma/
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