テレ朝『激レアさん』2度目のギャラクシー賞なるか!? スーパー勤務で人生を取り戻した社長のウソみたいな成功物語
#テレビ朝日 #バラエティ #オードリー #若林正恭
■おしぼりを持って、客のトイレ終わりを待つコンビニ店員
確かに、スーパー入店時のハットリさんはスペックが低かった。それは、本人も承知の上。だからこそ、速く動く。例えば、お客さんを見つけたら猛ダッシュで駆け寄り「どうぞ、ごゆっくり!」と買い物かごを手渡しに行った。店外でお客さんに会ったら、全速力で駆け寄り「また来てくださいね、お店でお待ちしております!」と挨拶をした。いつも、ハットリさんは全速力だった。
「(月日を)取り戻すような気持ちだったんですかね。『みんなより速く動かないと追いつけない』って気持ちで動いてたんです、きっと」(ハットリさん)
そして、彼は取り戻した。すでに、近所では「スーパーで熱心に働く青年がいる」とウワサが立っており、それを聞きつけたある女性から「うちのコンビニで働きませんか?」とヘッドハンティングされたのだ。
「スーパーでは食品部門だったので、全体が見られない。『コンビニでは全部見られるのかな』『社長になる勉強には、そっちのほうがいいのかな』と思ったんです」(ハットリさん)
コンビニに職場を移したハットリさんは、やはり必死で働き、20歳で店長に、23歳でオーナーに出世した。スピード出世の要因は、「お客さんへのおもてなしの心」だ。ヤンキー時代は「何、メンチ切ってんだ!?」と汚い言葉ばかり浴びせられた彼も、必死で働くことで、お客さんから「ありがとう」と言われるようになっていた。
「うれしかったですよね。人に認められたのかなっていう。お店やったり接客するのが楽しくて仕方なかったです」(ハットリさん)
MCのオードリー・若林正恭は、ハットリさんのことを「“ありがとう”をカツアゲする人」と評した。言い得て妙だ。“ありがとう”を欲するハットリさんの「おもてなしの心」は加減を知らない。
以下は、ハットリさんがコンビニ店員として行った、おもてなしの実例である。
・トイレを使うお客さんがトイレから出てくるまで、おしぼりを持って待っている。
「やっぱり賛否両論で、女の人からは結構嫌がられました(苦笑)」(ハットリさん)
・コピー機で免許証をコピーした長距離ドライバーが免許証を忘れていったので、神奈川の店舗から群馬の自宅まで直接届けに行った。
「ピンポン押したらちょうど免許証の写真の人が出てきたので、渡せて、『またお越しください』って言って」(ハットリさん)
・ディズニーランドで人探しをする。
「コンビニでもディズニーランドのチケットを売っていて『ゴールデンウィークに行きたいんだけど』って言われたんですけど、休日に使えないチケットを、うちのスタッフが間違えて売っちゃったんです。これはまずいと、そのお客さんの防犯カメラの映像を目に焼き付け、その日に現地に行って正しいチケットを渡そうって。うちのスタッフにも手伝ってもらって、みんなで手分けしてゲートの前で待ってて。3~4万人が過ぎた頃に『この人!』っていう人がいたんです。事情を説明して渡しました。ウルウル泣いてましたね」(ハットリさん)
現在、ハットリさんは大手コンビニチェーンのフランチャイズ10店舗を経営する会社の社長である。彼は「社長になる」という夢を本当にかなえたのだ。超マイナスからのウソみたいな成功物語。でも、ウソじゃない。常人離れした熱意が原動力として機能しているから、経過と結果が腑に落ちる。
でも、まだ夢の途中。この現状は決してゴールではないと、彼は断言する。
「もっともっといい会社にして、立派な社長になる。やっぱり学校を卒業していない分、学びが止まらないんですよね」(ハットリさん)
強い信念を持って物事に当たれば、どんなことでも成し遂げられる。「一念岩をも通す」を体現したハットリさんの半生。こんな人は、めったにいないだろう。まさに、激レアさんだ。
(文=寺西ジャジューカ)
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