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テレ朝『激レアさん』2度目のギャラクシー賞なるか!? スーパー勤務で人生を取り戻した社長のウソみたいな成功物語

■スーパー勤務で知った「漢字」と「電卓」と「ヘアピンの本当の使い方」

 この日の放送が「神回」と呼ばれるゆえんは、ここからである。

 社員もバイトも募集していなかったスーパーに「僕、めっちゃめちゃ働きます。僕を雇わなかったら、この店は損して潰れますよ!」と直談判し、2時間限定の“お試し”としてスーパーに潜り込んだハットリさんは、なぜか勝手に10時間働いたという。

「何していいかわからなかったんですけど、荷物がひっきりなしに届くので超ダッシュで運んだり。とにかく、一生懸命全力で何かしなきゃって、動きまくってました」

 この熱意が買われ、彼はスーパーの食品部門に採用された。

 正式採用されても、ハットリさんのしゃかりきは止まらない。夕方5時から勤務と言われたのに、勝手に朝8時に出勤し、フライングで仕事をスタート。夕方5時になって初めてタイムカードを押し、そのまま勤務を続けるというスタイルを、彼は週7ペースで続けたのだ。

「自分が仕事をできないのはわかっていたので、(夕方5時までは)助走みたいな感じです。その時間は勉強させてもらおうと」(ハットリさん)

 学校へ通わなかったハットリさんにとって、スーパーでの勤務は苦労の連続だった。何しろ、15歳時の彼のスペックは以下である。

・ひらがなは読めるが、漢字とカタカナが読めない。

・指で数えられるまでの足し算と引き算はできる。

 スーパー店員は、手書きでポップを書かなければならない。でも、ハットリさんは漢字の読み書きができない。そこで彼は「漢字の形を絵として覚える」という手法を思いついた。例えば、「品」という字からはダンボールが3つ並んでいる形を、「油」という字からは灯油缶からピュッピュッピュッと油が出ている様子を、それぞれ連想する。こうして、なんとか漢字を覚えた。

 また、在庫の確認に関しては、算数の知識が不可欠だ。ハットリさんは15歳で初めて出会った電卓を用いてなんとか対応するも、電卓の「×」ボタンだけは怖くてなかなか押せなかったという。

「かけ算を知らなかったので、『バツ(×)はやべえ』みたいな感じですね」(ハットリさん)

 彼がスーパーで出会った文明の利器は電卓だけではない。シャーペンとボールペンも、ハットリさんにとってはカルチャーショックだった。

「シャーペンは削らないでいい“無限の鉛筆”みたいな。ボールペンも、初めて知った時は“消しゴムに勝つペン”という認識ですよね」(ハットリさん)

 こうして、彼はドンドン矯正されていく。スーパーマーケットは、ハットリさんにとっての学び舎だった。

「施設にいる頃は脱走をよくしてたので、ヘアピンを使って鍵を開けてたんです。それがヘアピンだとはわかってなくて。女の人が、髪の毛に付けてたりするじゃないですか。“鍵を開ける人”だと思ってました」(ハットリさん)

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