プロレス界きっての“名言メーカー”長州力の新語録「お前に何がわかる?」に、棚橋もタジタジ!?
#プロレス #長州力
■字幕を使わないで長州のトークを聞いてほしい
今の長州のみを知るファンからすると意外かもしれないが、かつての長州は“怖いプロレスラー”の最右翼だった。それでいて、不意に優しさがこぼれるのが憎い。この日の長州からも優しさがこぼれ落ちた。
長州「冬、夜に試合が終わって、会社の巡業バスで撥ね立ち (興行が終わるとすぐに、 次の興行地へ出発すること)する時、子どもたちが息吐きながら追っかけてくるのを見ると『また、来てやりたいなあ』と思うよなあ」
天龍「えーっ、本当?」
長州「うん、そういうのあるねえ」
天龍「俺が知ってる長州選手っていうのは『(ファンに対して)うるさい!』『やかましい!』って。俺は長州力といったらそのイメージだよ(笑)」
長州「(笑)」
これは、「円くなった」というより「肩の力が抜けた」と受け取るのが正解な気がする。例えば、新日本プロレスの後輩・佐山聡(初代タイガーマスク)は、長州について以下のように証言している。
「長州さんのあの怖い感じはわざとですからね。長州さんほどおもしろい人間はいないですから。それがいざ試合の出番になったら急に真面目になって切り替える。あの切り替え方は凄いです」(東邦出版「KAMINOGE」vol.79より)
長州には引退の日が刻々と迫っている。自身がプロデュースした興行「POWER HALL2018」(7月10日)で全日本プロレスの秋山準にピンフォール負けを喫した長州は、試合後に「リングに上がるのが怖い。靴はもう脱ごうと思っている」とコメント。来年中の引退を宣言したのだ。
実は、若き日の長州にも引退がよぎったことがある。長州は73年に本名の吉田光雄で新日本プロレスに入団。77年に新日は吉田の新リングネームを公募し、約3万通の応募の中から選ばれたのが「長州力」だった。
当時を振り返り、「名前が嫌で、本当に辞めようかと思った」とこぼすのは長州のおなじみの姿。今回も、長州は顔をしかめながら当時の心境を吐露している。
長州「もう辞め時かなと思った、名前付いた時には(苦笑)。『そのまんまでなぜやれないのかな?』と思った」
天龍「よそ(全日本プロレス)から見てても、“長州力”って古めかしい名前だなあと思ったよ(笑)」
長州「相撲の名前だよね(苦笑)」
棚橋「えーっ、そうなんですか!? 僕がファンだった時は“長州力”ってむちゃくちゃカッコいいリングネームだと思いましたよ」
長州「お前に何がわかるんだよ。本当に苦しんだ俺の何がわかるんだよ、お前に」
棚橋「だって、“長州力”っていう名前からリキラリアットが生まれて……」
長州「(遮って)タナ、お前に何がわかるんだよ!(笑)」
実はこれ、最近頻出する長州のひそかな口癖である。引退間際に登場した、新たな長州語録「お前に何がわかる?」。怖くて優しい今の姿を的確に示した、彼らしい新語録ではないか。
長州の話は難しい。言い回しが独特すぎる。理解するには脳内補足をする必要がある。でも、なぜか次第に理解できるようになってくる。本当だ。勝手に頭の中に字幕が浮かぶようになるのだ。不思議だ。
物好きな人は、長州のトークに字幕なしで接してみてほしい。チャレンジしてみてほしい。そうすれば、きっと、彼のトークがより味わい深くなる。プロレス界きっての“名言メーカー”長州の醍醐味は、自力で察してこそ初めてちゃんと堪能できる。いや、あくまで物好きな人向けの提案だけれども……。
(文=寺西ジャジューカ)
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