『グッド・ドクター』最終話 冒頭5分足らずでラストが読める安直な展開……消化不良はシリーズ化への布石?
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そもそもドナーというのは、そんなにあっさり決まるものなんですかね? ちょっと疑問に感じてしまいました。ドナー待ちという言葉を耳にしたことがありますけど、同じ病院内の患者ならば勝手に移植してもいいとか、そんな規定があるんですかね。仮にそんなルールがあったとしても、臓器を移植する患者とドナーの担当医が一緒というのは、倫理的にかなり問題があるように思えてなりません。
それと、小児外科の存続危機問題が、なんだか曖昧なままで終わってしまったのも納得がいきませんでした。数話前から、“湊たちの去就はどうなるのか?”と散々に煽っておいて、しっかりとした決着をつけないのはずるいですよ。
ラストの湊と夏美の様子から、何となく廃止は免れたようですけど、融資の問題はどうなったのか。終了間際、副院長の猪口隆之介(板尾創路)がどこかへ電話をかけ、融資を優遇するようお願いするシーンがありましたが、まさかあの電話一本で解決してしまったということですかね。
消化不良な点は、前回のラストで吐血し昏倒した、末期癌を患う司賀明(柄本明)に関しても同じ。今回は病気の進行状況などには触れず、顔色もよくなって登場していましたが、湊の良きアドバイザーという重要な役どころなだけに、ドラマのシリーズ化が決定して生かしておいた、という雰囲気が感じられました。
果たして、うやむやにされた部分は、続篇への布石ということなのでしょうか。恐らくそうでしょう。最終的に、ドラマの全話平均視聴率は11.2%を記録。不振が続くフジテレビにとっては久しぶりのヒットですから、簡単には手放さないでしょう。
全話を通して印象に残ったのはやはり、主演を務めた山崎賢人の演技です。これまで演技力に対する評価は特に高くなかったため、自閉症かつサヴァン症候群という難しい役どころを演じるのは無理、というのが放送前の大方の意見だったように思います。
けれど山崎は、初回から違和感ない演技を披露し、回を追うごとに役を自分のものにしていました。そして、そんな主役を支える他のキャスト陣の演技も素晴らしかった。それだけに、もしシリーズ化するのであれば、ストーリー展開にはもう少し気を配り、良質なドラマの制作を期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)
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