自分の気持ちに正直になった時、人は心から笑うことができる――ドラマ『チア☆ダン』第9話
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さらに苦しい立場になったわかばは、漆戸を訪ねる。
「くよくよしたって、怪我はよくならない。とにかく今は休んだほうがいい」
そう言われ、ひとつ吹っ切れたわかばは、親友の有紀(八木莉可子)と遊びに出かけたり、幼なじみの春馬(清水尋也)に、犬の散歩に付き合ってもらったり。最後は、眠れなくなるまで寝てみたりと、やりたいことをやる。
そうしているうち、わかばは、自分の本当の気持ちに気づく。漆戸の病院に行き、チアの話をしている時、彼女はようやく、自分らしい笑顔になれた。そう、人は、自分の気持ちに気づいた時、そしてそれを受け入れられた時、心から笑うことができるのだ。
わかばは、部室に行き、ROCKETSのメンバーに自分の思いを話す。
「私は、やっぱりROCKETSで踊りたい!」
部員たちは、その言葉を受け入れる。そして、「待っていた」と言うのだ。実は、メンバーは、わかばがそう言うのを信じ、わざと冷たくしていたのだ。仲間たちは、わかばのポジションは空けたままずっと練習を続けていた。「きっとわかばは帰ってくる」。ただひたすらにそれを信じて待っていたのだ。
これこそがまさに「みんなは一人のために」の精神だろう。この言葉は、何かをする時の方法論ではない、精神論なのだ。だから、矛盾を感じることもある。でも、その両方を成し遂げることだって、十分できるのである。もちろん、そこに相手を思いやる気持ちが存在してることが前提ではあるが。
さて、今回の一件、漆戸はどこまで見抜いていたのだろう。もしかしたら、メンバーの作戦に、うすうす勘づいていたのかもしれない。そう考えると、なかなかニクいところがある。
例えば、自分の夢が大きくなって、仲間やクラスや学校全体のものになったとしたら……それでも、夢は自分のものだ。まるで自分の夢であるかのように応援してくれる人の存在はありがたいが、遠慮することはない。自分が心から笑える場所に行くためなら、夢は独り占めしたって構わないはずだ。
次はいよいよ最終回。全国大会の日がやってくる。わかばとROCKETSの1年間に渡る戦いは、どんな結末を迎えることだろう。
(文=プレヤード)
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