テレ東「オードリー春日2時間SP」にほっこり! テレビ界では稀有な春日の”特性”とは?
#オードリー #春日俊彰
■春日起用に至る経緯も、春日のたたずまいも上品
冒頭で、テレ東のバラエティは大ざっぱに2つのフォーマットに分けられる、と書いたが、この番組は『家、ついて行ってイイですか?』の方。一般人についていき、人々の人生を垣間見る方向性だ。
加えて、こんな要素もあるらしい。
「一言で言えば、『タケコプター』があったらいいな、をそのまま実現しました」(高橋P)
タケコプターとは、言い得て妙。檜原村に住む少年は、宮大工になるべく茨城で修業中の兄に会いたいと春日をパシらせた。直線距離は137キロメートルで、公共交通機関で5時間かかる茨城への道なのに、ヘリだとたった38分! 自宅から持参したピザが、茨城に到着した時はまだ温かいというミラクルである。
兄との再会を喜ぶ弟。照れ混じりの兄弟の間に漂う空気に、なんともいえない表情を見せる春日。とても、芸人のそれではない。相方の若林正恭も指摘せずにいられなかった。
「お前の、(弟が)宮大工のお兄ちゃんに会ってる時の顔(笑)。大和田獏さんとかのランクまで行ってる」
大和田獏という例えが、過剰ではない春日の性分を的確に表現しているではないか。
そのほかでも、春日は大活躍だ。ドラマ『コード・ブルー』(フジテレビ系)にハマったものの、都会が遠すぎて映画館へ行ったことのない7歳の女の子を、映画版『コード・ブルー』を見に行かせてあげる。山梨の奥地にある自宅庭から25年間ずっと横浜のランドマークタワーを望み続けた男性を、タワーへ連れて行ってあげる。結果、女の子はドクターヘリの医師になる憧れを強め、男性はランドマークタワーから自宅が望めるのかを人生で初めて確認した。あくまで、主役は一般人。春日はパシリ役なので徹頭徹尾に控えめだ。確かにこんな芸人は、目立ちたがりのテレビ業界では稀有である。だからこそ、企画意図がブレていない。
「旬がどうだとかは考えず、『春日さんで2時間やってみたい!』と。実際のロケでも、春日さんと一般の方の距離感がとてもよかったです」(高橋P)
芸能人の旬を意識せずに、ロケも総合司会も春日に丸投げした今回の特番。「春日で2時間やってみたい」とあくまで欲求に忠実なところは、しがらみなしで品がある。あと、過剰ではないロケ時の春日のたたずまいも上品だったと思う。ヘリで夢をかなえる企画内容を「パシる」の一言で表現した発想も見事だった。
(文=寺西ジャジューカ)
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